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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第十一幕その八

「だからじゃ」
「冬もですね」
「こうして光を出せる」
「それで、ですね」
「飾った、ただな」
「ただ?」
「そうじゃ、ではな」
 お姫様はあらためて言いました。
「これからも見ようぞ」
「それでは」
 亀姫も頷きます、そしてです。
 そのまま映像を見ていますがここで、でした。イルミネーションの中にです。
 先生とトミーと王子、そして動物の皆の姿もあります。先生は光で描かれている自分達を見て言いました。
「僕達までいるし」
「うむ、当然じゃ」
 お姫様は先生にも言いました。
「先生が今回の宴のことを考えてくれたのじゃ」
「だからですか」
「先生達の姿があることもじゃ」
「当然ですか」
「そうじゃ、だからじゃ」 
 まさにその為にというのです。
「先生達の姿もあるぞ」
「そうですか」
「そしてじゃ」
 さらに言うお姫様でした。
「よい出来であろう」
「はい」
 実際にとです、先生はお姫様に答えました。
「凄いですね」
「僕達もいるしね」
「光で描かれてね」
 オシツオサレツが二つの頭で言いました。
「まさかこんな風に描かれるとはね」
「思いもしなかったよ」
「しかも凄く奇麗だし」
 ダブダブは満足しています。
「これはいいね」
「この宴でまた驚いたよ」
 ホワイティはイルミネーションの中にいる自分を見ています。
「僕もいるし」
「僕そっくりじゃない」
 ガブガブも自分を見ています。
「美形でね」
「しかも動いてるし」
「動きもそっくりでね」
 チープサイドの家族は動くイルミネーションを見て感動しています。
「動くイルミネーションもいいよね」
「こういったのもね」
「楽しそうに飛んだり走ったり」
 ポリネシアもにこにこととしています。
「私達がそうしてるわね」
「実際の僕達みたいにね」
 実際のジップも光のジップも尻尾をぱたぱたとさせています。
「動いてるね」
「妖怪蛍の光だっていうけれど」
 トートーはお姫様の言葉から思うのでした。
「ああしてまとまって動けるって凄いね」
「そんなことそうそう出来ないよ」
 老馬も思うことでした。
「妖怪だからかな」
「頭いいのかな」
 最後にチーチーが言いました。
「妖怪蛍って」
「左様、あの者達は妾が言った通りに動く」
 お姫様が皆にお話しました。
「話も出来るしちゃんとどうせよと言えるのじゃ」
「それでなんだ」
「ああして飾って動いて」
「そうしたことが出来るんだね」
「そうした蛍達なんだ」
「左様、よい者達じゃ」
 お姫様はにこりと笑ってこうも言いました。 
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