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星河の覇皇

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第七十一部第四章 引き継ぎその三十六

「その様に、そして」
「そしてですね」
「このままです」 
 まさにというのだ。
「引退、退官までです」
「プロレスを続けていかれたいですか」
「そう思っています」
「素晴らしいお考えです」
 実にとだ、オグモはサチフに素直に賞賛の言葉を贈った。
「是非そうされて下さい」
「それでは」
「トレーニングもですね」
「続けていきます」
 プロレスラーのトレーニングも相当なものだ、ヒンズースクワットだけでも五千回をするなぞ普通だ。それだけの筋肉が必要な格闘技なのだ。
 だがそのトレーニングもだ、サチフは言った。
「これからも」
「そしてですね」
「熟練の技をです」 
 まさにそれをというのだ。
「極めていきたいです」
「それでは」
「これからも、あと食事もです」
 こちらもというのだ。
「重要ですね」
「レスラーは食べることも仕事ですから」
 このことは力士と同じだ、レスラーもまた食べることもまた仕事なのだ。そうして体格を作っていくのである。
「それだけに」
「食事も」
「食べていきます」
「そうされて下さい、食事もまた」
 是非にというのだ。
「食べられて下さい」
「食べてこそですからね」
「レスラーは、そしてそれ以上に」
「軍人自体が」
「食べてこそです」
 まさにそこからだというのだ。
「はじまるものですから」
「腹が減ってはですね」
 サチフはこの言葉も出した。
「最早」
「はい、どうしようもありません」
「まさにそうですね」
「食べなければ」
 オグモはさらに話した。
「戦争は出来ません」
「連合軍ではそのことは強く教えていますね」
「将兵に対して」
 それこそ教育隊からだ、一般兵士ですら補給の重要性を叩き込まれているのだ。それなくして戦えないということを。
「そうしています」
「私もそのことをです」
「感じておられますか」
「強く」
 実際にというのだ。
「そしてその通りだとです」
「思われていますか」
「はい」
 その通りという返事だった。
「食料もエネルギーも弾薬もなくては」
「到底ですね」
「戦えません」
「古来補給が途絶えて敗れた戦いは多いです」
 それこそ枚挙に暇がない、サハラの千年の戦乱の歴史の中でも常だった。アッディーンもサラーフとの戦いでまず補給を重視して補給路を守った。
「ですから」
「それ故にですね」
「連合軍は補給を重要視しています」
「後方支援をですね」
「万全のそれがあってこそ」
 まさにというのだ。
「勝てますので」
「それ故に」
「はい、万全の補給体制であり」 
 それも常にだ。 
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