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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第九幕その六

「ちょっとね」
「困ってるんだ」
「うん、どうしようかってね」
「お姫様って凄いお金持ちなのはわかったけれど」
「それでもだね」
「先生にとってはね」
「いきなり四千万もの大金渡されるとね」 
 本当にというのです。
「困るよ」
「そうだよね」
「確かにお金を貰ったことは嬉しいよ」
 先生にしてもです。
「やっぱりね、けれどね」
「それでもだよね」
「どうするかはね」
「困るね」
「元々いつもお金がなかったから」
 イギリスにいた時はそうでした。
「今は困っていないけれど」
「それで充分だからね」
「僕はね」
 この辺り無欲な先生らしいです。
「だから余計にね」
「いきなりこれだけ貰うと」
「困るよ、どうしようか」
「貯金とか?」
 王子はふとこう言いました。
「そうしたらどうかな」
「銀行に預金だね」
「そうしたらどうかな」
「それも悪くないね」
 先生は王子の提案に少し頷きました。
「それも。ただね」
「貯金もなんだ」
「もっと違うかな、ここは」
「何か閃いたの?」
「僕達の為に使うよりも他の人の為に使ってもらおうかな」
 これが先生の考えでした。
「ここは」
「寄付するんだ」
「そうしようかな」
「寄付するんだ」
「そうしようか」
 こう言うのでした。
「四千万円ね」
「あっ、それでいいんじゃない?」
「僕達が持てあますんならね」
「他の人達に使ってもらうのがいいよ」
「それも寄付するならね」
「困っている人達が救われるし」
「先生の徳も積めるよ」
 動物の皆は先生の言葉に応えました。
「寄付はいいことだしね」
「人助けにもなるし」
「それいいかもね」
「じゃあ寄付してね」
「困っている人達を助けましょう」
「そうしましょう」
「八条グループは慈善事業も盛んにしているから」
 先生はこのことからも考えるのでした。
「それじゃあね」
「ここはだね」
「是非だね」
「寄付するんだね」
「そしてそのうえで」
「沢山の人に助かってもらうんだね」
「それがいいね、自分が持って困るのなら」
 それならというのです。
「人にあげるといいよ」
「そうしたらだよね」
「先生の徳も積めるから」
「先生天国に行けるよ」
「そうなるよ」
「先生は元々天国に行ける人だけれど」
 王子も言います。 
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