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消えていく影

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第三章

「爺さん、そこにおったか」
「・・・・・・・・・」
 老人は答えない、そうした気力すらない様だった。
 それでだった、二人は老人を担いでそうしてその地域から出てギルドに戻り老人を届けた、依頼主の家族から感謝の言葉と報酬を受け取って依頼は達成した。だが。
 老人の生気は乏しくまさにだった。
「魂自体を吸われた」
「そんな風らしいですね」
「病院の診察ではな」
 ゴーディマーはカマンダに宿の中で話した。
「そうらしいな」
「どうもあの人は普通に日課の散歩をしておられて」
「あそこも散歩のコースでな」
「そこに入られて」
 そしてというのだ。
「急にああなった様ですね」
「影を吸われてな」
「となるとやはり」
「あの地域にはな」
「何かありますね」
「間違いないな、ほな明日もな」
 是非にとだ、ゴーディマーはカマンダに言った、寝る前なので二人で酒を飲みつつ話している。飲んでいるのは南アフリカ産の白ワインでチーズもある。
「あの地域に行ってな」
「調べましょう」
「あそこは絶対に何かあるわ」
「影が薄くなり魂を吸われている」
「この事態はな」
 こう話してだ、そしてだった。
 二人は次の日もその地域に入り調べて回った、すると老人を捜索していた探偵社の者達や警官達にも遭遇したが彼等もだった。
 影が今にも消えそうで生気がほぼなく話しても反応はない、しかも。
 保護して病院に担ぎ込むと魂が消えそうだった、ここでゴーディマーはカマンダにこんなことを言った。
「これはエナジードレインちゃうか」
「あのアンデットや特殊な天使や悪魔が使う」
「そや、生気を吸い取る力や」
「それを影からですか」
「してるんちゃうか」
「あの地域で」
「それを使うモンスターが忍び込んでいてな」
 こう言うのだった。
「それであそこの人達も入った人達もな」
「影が薄くなって」
「そしてや」
 さらにというのだ。
「生気がなくなていってるんや」
「そういうことですか」
「それでな」
 ゴーディマーはさらに話した。今はその地域に二人で向かっている最中だ。彼等が今いる地域は明るく影も濃い。
「あの地域のどっかにな」
「エナジードレインを使うモンスターがですか」
「潜んでるな」
「そうなのですね」
「そう思う、影は魂やな」
「よくそう言われますね」
「影が薄くなるとな」
 そうなると、というのだ。 
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