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星河の覇皇

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第七十一部第三章 小国出身者その二十七

「その時にだ」
「非常に、ですね」
「それで助けられた」
「偵察艇に」
「だからこそですか」
「奇襲にも遭わずに済んだ」
 エウロパ軍のそれにだ。
「有り難いことだった」
「災害も防げますし」
「それに遭うことも」
「まさに偵察艇あってですね」
「出来ることが多いですね」
「周辺を見られて」
「相手の位置や艦種もわかって」
 そのうえでというのだ。
「攻撃が出来ますし」
「防御も可能です」
「必要なら避けられます」
「全ては相手を事前に把握することですね」
「だから連合軍の偵察艇は有り難いですね」
「性能が高くしかも数が多い」
「これだけで多くの力です」
 幕僚達もこうオグモに話した。
「連合の装備の中でも」
「とりわけ大きいですね」
「司令の言われる通りです」
「偵察艇の存在は大きいです」
「エウロパ戦役はこのことも役に立った」
 偵察艇もとだ、オグモはまた言った。
「補給の充実もだったがな」
「燃料、弾薬で不足したことはなかったです」
「食料や水も常に充分にありました」
「足りないのではと思えばすぐに物資が来る」
「非常に充実していましたね」
「補給艦に常に大量の物資があった」
 全長ニキロメートルの巨大な補給艦だ、連合軍はこの補給艦を縦横に使いそうして各艦隊に補給を行っているのだ。
 その補給艦の存在もだとだ、オグモは語るのだ。
「工作艦もあったしシャトルも多い」
「はい、連合軍の艦艇には」
「それも充実していますね」
「小型の兵器もあり」
「そうしたものも役に立っていましたね」
「思えばアイゼンハワーが言った」
 第二次世界大戦のアメリカ陸軍元帥で欧州方面軍の総司令官であった、後に大統領に就任している。
「第二次世界大戦で役に立ったものはな」
「ジープ、バズーカ、そして輸送機でしたね」
「Cー47という機種でしたね」
 他には原子爆弾もあったが実はアイゼンハワーはこれの使用に反対していたという。それどころか原子爆弾が使用されたマッカーサーにも使用直前で知らされたという。それは彼も反対することがわかっていたからだという。大量破壊兵器を使用すれば自分達にも使用されると考えるのが軍人の本能だ。
「この三つでした」
「戦車や戦闘機ではなく」
「輸送機や車両でしたね」
「そして携帯用兵器でした」
「そうしたものが充実しているとだ」
 オグモは確かな顔で話した。
「主要兵器も大事だがな」
「戦いやすいですね」
「特に輸送、補給関係が充実していますと」
「その分だけ」
「補給艦が輸送機だ」 
 連合軍の補給艦がというのだ。
「言うならな」
「そしてシャトルがジープですね」
「小型兵器がバズーカ砲」
「そうなりますね」
「そうだ、連合軍はそうした兵器も充実している」
 それも他国の軍と比べて隔絶しているのだ。 
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