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八条学園騒動記

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第五百二十一話 おもちゃ屋の二階その七

「それがね」
「評判悪くてなのね」
「愛されてもいないんだ」
 そうなっているというのだ。
「これがね」
「そうなのね」
「あとね」
「あと?」
「ゾンビのゲームでも」
「クソゲーあるのね」
「このメーカーが出したゲームで」
 ジミーが今プレイしているそれでというのだ。
「これがね」
「酷いのね」
「うん、いい意味でね」
「南宋の謎とは違って」
「もう絶妙に」
 その具合でというのだ。
「凄いクソゲーなんだ」
「そのゲームはここにないのね
「うん」
 そうだと言うのだった。
「家庭用ゲームだからね」
「ここはアーケードだから」
「アーケードはアーケードだよ」
 そのジャンルだというのだ。
「家庭用ゲームはね」
「やっぱりお家でね」
「遊ぶものだから」
 だからだというのだ。
「こうした場所にはないよ」
「そういうものね」
「うん、家庭用ゲームだと他には」
 ジミーは今はアーケードゲームをしつつパレアナに話した。
「マイナーっていう野球ゲームもあったけれど」
「どんなゲームなの?」
「野球ゲームなのに」 
 その筈だが、というのだ。
「何とインフィールドフライがないんだ」
「あれね、内野フライが上がって」
「うん、意図的なダブルプレイを防ぐ為に」
「わざと落としたりしてね」
「そういうのを防ぐ為に」
 この時代の野球でも存在しているルールだ。
「もう誰が捕球出来る様な内野フライはね」
「上がった時点でアウトね」
「そうしたルールは常識でタッチアップも」
「常識よね」
「どっちもないんだ」
 そのゲームには、というのだ。
「これがね」
「野球知らない人が作ったの?」
「あとバッターがバッターボックスでピッチャーに背中向けてたり」
「どうして打つの?」
「ピッチャーが投げたら」
 その時はというと。
「時々ボールが帽子になったり」
「バグね」
「あとホームラン打ったら」
 その時はというと。
「時々飛距離が千二百メートルになるとか」
「桁外れの飛距離ね」
「そうもなるし」
「バグも酷いのね」
「うん、ルールもそんなので」
「そのゲームもクソゲーオブザイヤーよね」
「家庭用ゲームでぶっちぎりだったよ」
 それで受賞したというのだ。
「その年ね」
「それはそうなるでしょうね」
「うん、スポーツゲーム部門でね」
「それで南宋の謎はRPG部門ね」
「そっちでね」
 家庭用ゲームのそれでというのだ。
「見事ね」
「見事よね、そこまでだと」
 パレアナも話を聞いて納得することだった。 
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