| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百二十話 クソゲーコーナーその十

「おもちゃ屋さんの二階がゲームセンターになっているのを観てね」
「それでなのね」
「どんなのかって思って観たら」
 それがというのだ。
「面白かったから」
「それで常連になってるの」
「そうなんだ」
 実際にというのだ。
「これがね」
「それも縁ね」
「人は求めるものに巡り会える」
 笑ってだ、ジミーはパレアナに話した。
「そういうものだろうね」
「神様のお導きね」
「それでね」
「それであんたもなのね」
「そのお店に気付いて」
 そしてというのだ。
「出入りしているんだ」
「そういうことね」
「しかし普通はないからね」
「商店街にはゲームセンターも付きものだけれど」
 見れば二人のすぐ右手にそのゲームセンターがある、彼等と同じ様な年齢の少年少女達がその中で遊んでいる。
「それでもね」
「おもちゃ屋さんはおもちゃ屋さんでね」
「二階がそうなってるお店は」
「他にないから」
「あたしだって初耳だったし」
「けれどいざ入ってみるとね」
「クソゲーをあえて集めていて」
「そのセンスも光るネ、クソゲーオブザイヤーアーケード部門に輝く」
 こうした賞もこの時代にもあるのだ。
「そうした作品達がね」
「集められているのね」
「これでもかっていう位にね」
「趣味の世界ね」
「そしてその趣味が受けてね」
「お客さんも多いのね」
「そうなんだ」
 そうなっているというのだ。
「これがね」
「世の中何が受けるかわからないわね」
「いや、クソゲーオブザイヤーってね」
「そうそう選ばれないわよね」
「そうしたゲームばかり集めてると」
「かえってなのね」
「マニアが痺れて」
 その珠玉のクソゲー達を前にしてというのだ。
「人が集まるから」
「そうなってて」
「休日なんか一杯だよ」
 お客さん達でというのだ。
「本当に凄いから」
「そうなのね、しかし」
「しかしっていうと?」
「いや、クソゲーオブザイヤーって」
「そう、毎年ね」
「選ばれないわよね」
「それぞれのジャンルでね」
 それが家庭用ゲームでもアーケードゲームでもだ、そしてスマホゲームでも流石にそうは選ばれないものだ。
「中々ね」
「そうよね、やっぱり」
「けれどその中で堂々と選ばれて」
 そうしてというのだ。
「受賞するからには」
「クソゲーの中のクソゲーね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「何度も言うけれど」
「そうしたクソゲーを集めた」
「アーケード部門の」
「だから凄いんだ、あとクソゲーを出すメーカーは」
 それはというと。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧