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八条学園騒動記

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第五百十九話 中華ファンタジーのゲームをその六

「僕も思うよ」
「そうよね、必死な分ね」
 それだけというのだ。
「やっぱりね」
「楽しんでいて」
「当時のゲーマーの人達は幸せだった」
「そうだろうね」
「鬼みたいに難しいゲームを必死に遊んでいて」
「それはそれでね」
「そう言われると」
 まさにとだ、パレアナはジミーに答えた。
「あんたが言うクソゲーの楽しみ方もね」
「わかったんだ」
「何かね、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
 それはというと。
「昔のゲームスタッフも凄いわね」
「ヒントなしでクリアーしろとかね」
「ゲーム中一切ね」
 それこそというのだ。
「ないわよね、アイテムの出し方とか」
「アイテムないとクリアー出来ないとか」
「そう、六十面あって」
 パレアナはそのステージの数の話もした。
「アイテムが一つ一つあって」
「全部揃えないとクリアー出来ないんだ」
「そういう訳でもないけれど」
「全部集めなくてもいいんだ」
「それでも絶対必要なアイテムが一杯あって」
 それでというのだ。
「それを揃えないといけないのに」
「ゲーム中ヒントが全くないんだ」
「どの敵をどれだけ倒せとか何をしろとか」
「そういうのがなんだ」
「もう自分達で探すか」
「何か経験論だね」
 ジミーはあらためて思った。
「医学の」
「漢方医学とかみたいよね」
「どれがどういった効果があるかその身で確かめる」
「それみたいね」
「毒があるか食べないとわからない」
「そんなノリだね」
 まさにというのだ。
「本当に」
「ええ、そんな風で」
「皆であれこれやって」
「お金投入もしてね」
 アーケードゲーム、つまりゲームセンターではこの時代もこうして遊んでいる。だがギャンブルよりは使う金は遥かに少ないものだ。
「そうしてね」
「お金も使ってなんだ」
「そうしてね」
「余計に凄いお話だね」
「そうよね、それでね」
「苦労してやっていって」
「漢方医学みたいにやっていって」
 ゲームのアイテムの出し方等を一面一面調べていってというのだ。
「全六十面ね」
「クリアーしたんだ」
「そうだったのよ」
「ううん、そんなゲームを制作したスタッフにも」
「それでプレイした人達もね」
「賞賛に値するね」
「全くよね」
 二人でこう話してだ、パレアナは今度は。
 スマホを出してそのゲームをジミーに紹介した、そのゲームはというと。
「これね、最近出た何十回目かのリメイク版だけれど」
「ええと、ドルアーガ?」
「そう、一九八〇年代の日本のゲームで」
 それでというのだ。 
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