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八条学園騒動記

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第五百十九話 中華ファンタジーのゲームをその五

「そうしたゲームが多かったのよ」
「成程ね」
「ちなみにシューティングだと」
 パレアナはこのジャンルのゲームに限っての話もした。
「もうスタッフでもクリアー出来る人少しっていう」
「製作スタッフの人達でも」
「そんなゲームもあったのよ」
「いや、スタッフがクリアー出来ないって」 
 ジミーはパレアナの今の話にはそれこそという顔で答えた。
「それじゃあね」
「ちょっと有り得ないわよね」
「そう思ったよ、流石にね」
「スタッフがクリアー出来ないとね」
「そこまで難しいと」
 幾ら何でもというのだ。
「ないよ」
「あたしもそう思ったわ、けれどね」
「二十世紀のゲームはだね」
「そうしたゲームもあったのよ」
「そうだったんだね」
「けれどそんなゲームでも」
 昔、自分達が実感ではわかる筈もないその時代を目に浮かべつつだ、パレアナはジミーに対してこうも話した。
「皆ね」
「当時の人達は遊んでたんだね」
「さっき言ったみたいに必死に攻略法探して」
「ゲーム中ヒントも何もないのに」
「月一の雑誌を読むか」
「人づてにお話を聞いて」
「攻略本出たら貪る様に読んで」 
 出てならすぐに買ってだ。
「それでクリアーしていったのよ」
「ネットがなくてもだね」
「攻略サイトって便利でしょ」
「もう本当にどんどん書き込まれていくからね」 
 攻略法、それがだ。
「敵のデータとか隠しアイテムとかね」
「罠もすぐにね」
 それぞれのダンジョンのだ。
「バグまで発見されるし」
「本当に攻略サイトは有り難いよ」
「そのサイトがないとよ」
 それこそとだ、パレアナは話した。
「どうなるかよ」
「そういうことだね」
「それでない時代は」
「鬼みたいに難しいゲームをそうして攻略していってたんだ」
「何ヶ月もかけて」
「大変だったんだね」
「それでも凄く楽しんでいたみたいよ」
 二十世紀後半のゲーマー達はというのだ。
「そうしながらね」
「うん、それでも楽しそうなのはね」
「わかるわよね、ジミーも」
「聞いてるとね」
 彼等の必死さをというのだ。
「夢中になってるね」
「それでゲームに付きものの謎とか裏技についても」
「話されていたんだ」
「そうだったのよ」
「それ余計に面白そうだね」
「そうよね」
「そうして楽しんでたら」
 それこそとだ、ジミーも述べた。
「本当に楽しかっただろうね」
「そうよね」
「というか今のゲームの楽しみ方より」
「楽しんでる感じするわよね」
「何かね」
「今の感覚で言うとクソゲーなんてものじゃないけれど」
 それでもというのだ。
「かなりね」
「皆楽しんでたんだね」
「そうだったみたいよ」
「そうだよね、苦難を乗り越える?」
「そんな感じかしらね」
「夢中になってそうしてるから楽しい」
「そんな風よね」
「本当にね」
 まさにと言うのだった、このことを。 
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