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星河の覇皇

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第七十一部第二章 ゾロアスター級超巨大戦艦その三十七

「諦めが悪く怒りの沸点は低くしかもやられたらやり返す」
「何の容赦もなく」
「報復はロシアに匹敵するという者がいるが」 
 連合においてはだ。
「互角かそれ以上か」
「その自信はありますね」
「そうだ、特に諦めが悪い」
「それ故に」
「私も諦めない」
「では隙を見て」
「動こう、もっとも相手もだ」
 連合、この艦にいる将兵達にしてもだ。
「馬鹿ではない」
「それで、ですね」
「迂闊に好きを見せないことはわかっている」
 既にというのだ。
「なら一瞬でもだ」
「相手が隙を見せれば」
「そこで動こう、朝でも夜でもな」
 そのどちらでもというのだ。
「その時に動く」
「隙をあえて作らさせますか」
 ハークはルクシャに目を光らせて提案した。
「そうしますか」
「馬鹿な振りをするか」
「若しくは諦めたか」
「そうしたふりをしてですね」
「相手に隙を作らせるか」
 連合にというのだ。
「そうするか」
「それも手ですが、従兵の私にもです」
「警戒の目を向けているな」
「はい、どうにも」
「連合は訓練度は低い軍隊だが」
「こうしたことは徹底しています」
 警戒体制はしっかりしているのだ、そうしたことにはセキュリテイシステムも発展しておりこうした時は徹底しているのだ。
 だからだ、ハークも言うのだ。
「それこそ一挙手一投足まで」
「隠しカメラもな」
「チェックされているでしょう」
「そうだろうな、この部屋もチェックしたが今は」
「盗聴器はなかったです」
 ハークはその目を光らせて述べた。
「隅から隅まで調べましたが」
「今のところはだな」
「あくまで」
「だが聯合の技術はかなりのものだ」
「民間の盗聴器にしても」
 市販のそれである、連合の盗聴器とそれの利用の仕方はアメリカのFBI初代長官であるフーバーからはじまっている。半世紀もの間この組織の長官を務めていたある意味において怪物とさえ言える人物である。
「マウリアのものよりもです」
「遥かに上だな」
「極めて小型で」
「しかも性能の高い」
「そうしたものを使っていますので」
 だからなのだ。
「警戒が必要です」
「こうした会話もな」
「聞かれる恐れがありますので」
「盗聴器には注意が必要だ」
「服に仕掛けることも」
「有り得るな」
「はい」 
 その通りと言うのだった。
「連合はそうしたことは徹底的に行います」
「だからこそ」
「細心の注意を払って探しました」
「それは何よりだ、実は私もだ」
「大佐もですか」
「警戒でだ」
「何かされましたか」
「こっそりと二人で部屋を出たその時に扉に髪の毛に唾液を付けてだ」
「扉に貼っておいたのですね」
「そうしていた」
「髪の毛は落ちていましたか」
「幸いなかった」
 若し誰かが入っていると髪の毛は落ちているのだ、古典的であるが確実な侵入者のチェックの方法である。 
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