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星河の覇皇

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第七十一部第二章 ゾロアスター級超巨大戦艦その二十五

「それでもだな」
「隕石の陰にも」
「アステロイド帯にもです」
「敵の残党はいません」
「未発見の組織もです」
「事前に調査した通りです」
「誰もいません」
 艦の士官達も報告する。
「ではこのままですね」
「哨戒活動を続け」
「そして治安もですね」
「確立させますね」
「我々の管轄の諸星系に対してだ」
 グータルズは士官達に言った。
「司令が命令を下されていてだ」
「この艦もまた」
「それにあたっていますし」
「このままですね」
「艦隊の旗艦として」
「それにあたることになる」
 こう士官達に話した。
「このままな」
「わかりました、では」
「作戦は終わりましたが」
「引き続き次の行動に移っていますので」
「このままですね」
「我が艦も哨戒活動を続ける」
 彼等が乗艦している巨大戦艦もというのだ。
「このままな、それでだが」
「それで?」
「それでといいますと」
「この艦、義勇軍のティアマト級巨大戦艦は神の名は冠されていないな」
 グータルズはふとこんなこともだ、士官達に言った。
「アッラーのみだからな、我々の神は」
「義勇軍は難民から構成されていますし」
「サハラからの」
「他ならぬ我々がそうですが」
「サハラの宗教はほぼ完全にイスラムです」
「イスラムの名前が艦艇にも付けられますので」
「だからだな、しかし正規軍を見るとだ」
 正規軍のティアマト級巨大戦艦をだ、各艦隊に旗艦として一隻ある。
「様々な宗教の神や天使の名前が冠されているな」
「キリスト教の天使や聖人の名が」
「実に多くですね」
「冠されていますね」
「様々な宗教の神々の名前がありますね」
「実に多くの」
「エジプトやメソポタミア、ケルトや中南米の神々もあれば」
 その名前を冠されている神々についてだ、グータルズは話していった。
「中国の神々、日本の神々、アフリカや南洋の神々の名もある」
「実に多彩です」
「よくあれだけの宗教、あれだけの神が存在するものです」
「連合は多宗教の国ですが」
「それにしても多いですね」
「南洋の神々でだ」
 グータルズは特にこの地域の神々について言及した。
「マケマケという神がいてだ」
「その神もですね」
「あの巨大戦艦の名に使われていますね」
「確か第一〇二三艦隊の旗艦でしたね」
「そうでしたね」
「他にもある」
 南洋の神々の名が冠された巨大戦艦はというのだ。
「実に多い、中には知らない神も多い」
「私もです」
「確かに多いです」
「あそこまで神がいるとは」
「それでもまだ全てではないとか」
「とかく神の多い国です」
 キリスト教の天使や守護天使の名を冠した艦もあるがそれを除外してもというのだ。
「多くの宗教があり」
「そして多くの神々が存在する」
「サハラでは信じられません」
「そのことだけでも」
「全くだ、我々から見て連合はだ」
 グータルズはサハラの人間として述べた。 
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