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星河の覇皇

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第七十一部第二章 ゾロアスター級超巨大戦艦その二十三

「機械の腕にな」
「そうなのですね」
「今も連合の面々には勧められる」
「クローンの腕に」
「付け替えてはとな」
「クローンの腕ならば」
 どうかとだ、ワフラも言う。
「やはりです」
「そうだ、本来の腕とだ」
「全く変わりませんね」
「わしの細胞で造るからな」
 そして腕にしたうえで手術で付ける、これならば本来の腕と全く変わることなく誰が見ても一度腕を失ったとは思われない。
「その方が遥かに便利だ」
「義手よりも」
「この腕で風呂にも入られるが」
 ステンレス製である、錆びる心配はない。
「しかしな」
「本来の腕と比べますと」
「どうしてもだ」
 このことも苦笑いで言うのだった。
「不便だ、義手は義手だ」
「だからですね」
「不便だ、しかしその不便をだ」
「ご自身の戒めにされていますか」
「常にな」
 言いながら手袋を嵌める、すると再び一見すると何でもない腕に戻った。
「エウロパ軍に敗れ国を失い」
「難民として亡命されたことを」
「わしは忘れない、サハラの者としてな」
「左様ですか」
「そうだ、それでこの作戦だが」
「我々の目的はです」
 ワフラはあらためてマシュハドに話した。
「義勇軍全ての艦隊がです」
「作戦目的を達成しつつあるが」
「今現在作戦の進行具合は八十七パーセントです」
「はじまったばかりだがな」
「ですが」
「そこまで進んだか」
「はい、そして」
 ワフラはさらに話した。
「損害は極めて僅かです」
「一体どれ位だ」
「巡洋艦十隻が中破及び小破、駆逐艦と護衛艦が十二隻ずつ小破です」
「その程度か」
「軽傷者は出ていますが重傷者、戦死者はありません」
「それはまた軽微だな」
「相手に気付かれない様に一斉攻撃をはじめましたので」
 八条の計画通りにだ、そうしたからだというのだ。
「ですから」
「相手は大抵の組織が反撃も出来ないまでにか」
「致命的なダメージを負い戦闘能力を失い」
「投降してか」
「はい、作戦進行は九割近くであり」
 そしてというのだ。
「損害もです」
「それだけか」
「後は明日までには」
「残り十三パーセントもだな」
「完了するでしょう、いえ」
「明日までと言わずにだな」
「あと二時間か三時間のうちには」
 それ位の時にはというのだ。
「完了するでしょう」
「迅速だな」
「外縁部のあらゆる犯罪組織を掃討して」
「それからはな」
「治安の確立になります」
「その為の活動だな」
「軍としては」
 彼等義勇軍もである。 
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