| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダー エターナルインフィニティ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三百七十話 ヨコハマは燃えてその十四

「このままでもいいだろ」
「ああ、充分役に立ってるしな」
「いや、俺ムジーク出せたんだよ」
 奏助だけが思っていることだ、それで今も言うのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「今回もか」
「そうだっていうのかよ」
「ああ、また出してな」
 そしてとだ、奏助だけは言う。
「それでだよ」
「ここぞという時にですか」
「ムジーク出してか」
「皆の力になるんだな」
「ああ、俺は出来るからな」
「その気持ちは買うであるが」
「やっぱりな」
 オラゴンもレンも言うことだった。
「奏助はな」
「このままであるぞ」
「自分が出来ることを全うすればいいでしょ」
 ステラも奏助に話した。
「だから奏助もね」
「このままでかよ」
「いいでしょ」
 こう言うのだった。
「戦場に出たりムジーク出した李するだけが戦いじゃないからね」
「そうかな」
「ええ、本当にね」
「まあお握り用意したからさ」
 奏助は巨大な皿に山盛りの三角のお握りを出して今度はこう言った。
「食ってくれよ」
「ええ、そうさせてもらうわ」
 ステラはにこりと笑って応えた、そして他の面々も食べた。
 戦いは激しいまま三日三晩続き遂にだった、グロンギ達の数が減ってきて最後の一体も倒された。だがその時には。
 戦場に立っている者は僅かだった、その顔触れは。
「僕達だけですね」
「そうだね」
 太宰は微笑んで中島に応えた。
「この顔触れかと思ったよ」
「それはどうしてですか?」
「何となくだよ」
 太宰はまだ立っている自分達だけでなく鏡花と芥川を見つつ中島にまた答えた、他にはクウガと一条がいる。
「この六人かなってね」
「思っていたんですか」
「勘でね」
「勘、ですか」
「そう、勘だよ」
 まさにそれだという返事だった。
「私が思っていたことはね」
「そう、ですか」
「うん、そしてね」
 太宰はさらに話した。
「これからだよ」
「はい、グロンギはもう出て来ないですし」
 中島は太宰にあらためて応えた。
「いよいよ」
「スサノオが出て来るよ」
「癪に障るが後は任せたからな」
 中原が太宰に言ってきた、見れば少し離れたところで座り込んでいる。
「俺はもう動けないからな」
「中也、まだいけないかい?」
「そうしたいが無理だ」
 とてもという返事だった。
「身体がどうにも動かなくなった」
「疲労がピークに達してだね」
「それでだ」
 まさにそれが理由だった。
「だから後は精々戦え」
「そしてだね」
「負けろとは言わないからな」
「おや、いつもの君らしくないね」
「人間に勝って欲しい相手だからな」
 それ故にという返事だった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧