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ソードアート・オンライン ー合わさる剣は2つの世界を一つにしてー「ある科学者とある剣士の物語」

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第十一話「友とすべきもの」


 ダンジョン内
二人のユニークスキル使いが暴れている。
「す、すごいですね、我々は加勢しなくていいんですか」
「いいんですよ、あれは病気ですから」
「ジン、何匹倒した?」
「ふふ、これで99匹さ」
「な、98匹、あーくそ」
「へっへーちゃんと計算してたからな、キリトが二刀流でHP削ったところを何気なくとどめの一撃を入れることでキルしたからモンスターの数はこっちのほうが多くなる」
「てめーアイテムの分配は自動均等割だからな」
 一通り倒したところで皆と合流した。
「おかえりーどうだったどっちが勝った?」
「それがさーキリトのやつ意地になってよ、結局同点123匹で打ち止め」
「でもすごいじゃん、ジン。キリトさんに並ぶとか」
「あはは、ユニークスキルってすごいな。自分の技量が跳ね上がる」
「そういえばおまえの龍剣?だっけあれどんなスキルなんだ?」
「ああ、脳のリミッター外して人の限界に等しい力を引き出すんです」
「え?ただ攻撃力とか俊敏性が格段にアップするとかじゃないのか?」
「それじゃただの補助系スキルの最上位版じゃないすか。それにユニークスキルっていうよりはシステム外スキルってやつで。まえに茅場先生が言ってたナーブギアの可能性ってやつです」
「ジン君っていったい何者なの、キリト君。茅場 昭彦の元で自身の剣技をもとにソードスキルデザインしてるし」
「いや、でもあいつを見てるとただの剣術バカって感じしかしないんだよな」
「……そうね。なんか心配して損したかも。で?キリトくんなにかアイテムドロップした」
「ああ、ほれ」
 キリトはカエルの足をアスナに渡した。カエルの足である。アスナはそれを恐ろしい悲鳴を上げて払いのける。
「なにすんのよ、キリトくん」
「いや、アスナに料理してもらおうと思ってゲテモノほどうまいっていうし」
「絶対に嫌です」
「なんだとおいジン」
「はい、キリトさん」
 ドロップしたカエル肉全部両腕いっぱいに見せびらかした。舞い上がるカエル肉、そして俺達の美食ライフ。
 ユリエールさんが思わず笑った。
「笑った!」
 ユイちゃんだった。
「パパとママ、それからお兄ちゃんとお姉ちゃん。四人の周りにいるだけで人は笑顔に成るんです。」
「なんだか、このゲームに来て、忘れてたみたいです。このゲームでの死は、むしろ現実の私たちの国の、現実の死よりリアリティがあると思います。でも本当は世界ってそれだけじゃないんですよね?」
「そうです、ユリエールさん。もっといっぱいのことで世界はあふれてるんです。悲しいことだけじゃないじゃないんです」
 そんな話をしながら六人はダンジョンの一番奥まで来ていた。ゲート付近にはユリエールの一番望んでいた人物がいたのだ。
「ユリエール!」
 道の向こうから声がした。シンカーのようだった。
「シンカー!」
 ユリエールが駆け出す。
 なんだろう?なにか変だ。シンカーさんの声に鬼気迫るものがある。
「ユリエール!逃げろ」
 その時俺とキリトは駆け出した。正体のわからない鎌を俺が受け止め、キリトがユリエールさんを助ける。
 鎌の主は死神のような姿をしたモンスターだった。
「早く転移結晶エリアへ」ユリエールさんとユイちゃんを逃し俺とキリトは死神と対峙する。
「キリトさんこいつ」
「ああ、索敵スキルでレベルがわからない、多分90層クラスだ」
「アスナさん、レイ、ユリエールさんたちと転移結晶を使うんだ」
「そんな」
「何言ってるのよジン、怒るよ?」
「俺達もあとからいく」
「レイさん。いいですか?」
「うん、わかってるアスナさん。わたしたちも戦おう!ユリエールさん、転移結晶を使ってください」
「しかし!」
「私達はあとから行きます」
 二人はユリエールさんたちを振り返らずに俺たちの横でこの死神に剣を構えた。
「アスナ?」
「レイ!」
「私達も戦うわ」
 相手のレベルがわからない。でもやるしかない。
「いくぞ!」
 死神の鎌が振り下ろされる。合わさった四人の剣を一瞬で吹き飛ばす。完璧に力が違う。そこに完全なレベル差を感じた。システムの数値の違いでこんな差が出る、そうだったそれがこのゲームだった。
 四人は死を覚悟した。
 そこにシステムが死の宣告をする。
 インモータルオブジェクト、不死属性。嘘だろ、そんな。反則じゃないか。茅場!
「ふざけやがってええ!」俺はすかさず龍剣のスキルを発動する。
 しかし俺の剣はやつのHPを少しも削ることはできない。
 俺のスピードと技ならあいつの鎌を避けることはできるだが攻撃が無効ならそれは同じだ、違うのは。
「キリトさん、アスナさん、レイを連れて転移結晶を、俺がこいつの注意を惹きつけます」
「ジン、おまえは!」
「大丈夫です、俺ならこいつの鎌は避けることができます。倒すことはできないけど、キリトさん考えてくれむざむざ全滅するより三人が生き残る、アスナさんを守るんだろう!」
「大丈夫だよ、パパ、ママそしてお兄ちゃんにお姉ちゃん!」
「ユイちゃん!」
「全部思い出したよ」
 するとユイの体が宙に浮く腕から炎をまとった剣が現れる。
 ユイの剣が死神を飲み込む炎とともに死神は消滅した。
 ユイは語り始めた。それは衝撃だった。自分はカウンセリングAIでシステム開始時に切り離され、みることしかできななった。
 状況は最悪。自殺するもの、狂気に陥るもの、恐怖にうずくまるもの、その中で明らかに感情パラメータの違う二人の人物に出会った。
 それがキリトさんとアスナさんだった。
「私はお二人に会いたかったんです」
「ユイ、君の願いを言ってくれ本当の願いを」
「私はお二人の子供で居たいずっと一緒にいたい」
 俺は口を閉ざすしかなかった。
 ユイとキリトさんとアスナさんは深い絆で結ばれてる。
 そんなユイをアスナさんは抱きしめる。
「ずっと一緒だよ、ユイちゃん」
 アスナさんに抱きしめられたユイちゃんは幸せそうだった、ふとユイの視線がこっちを向く。
「それとですね、ジンさん、レイさん、あなたたちにもお礼を言いたい」
「え?」
「ジンさん、あなたがソードスキルの原型を作った。人だということは知っています。でもそれなのにあなたはスキルのモーションからその人に最適なソードスキルを情報としてアップしてくれた。全く攻略の情報のない中そのおかげで最前線の人の致死率はかなり下がった、そのあとも剣神連合の人たちに剣を教え続けた。しってますか数あるギルドの中であなたのギルドだけが自殺者が一人もいないんです。あなたの剣術はこのSAOでたしかに生きてるのです。そしてレイさん、あなたの存在はもうジンさんの中でとても大きくなっている。仲間をそしてジンさんを大切にしてください」
「ユイちゃん、なにかおかしいよまるで遺言みたいだよ」アスナさんの方が震えている。
「カーディナルが私が使った削除プログラムを完治したんです。あと少しで私はシステムからデリートされてしまいます」
ユイの座っている石にキーボードのような光が見えた。
 キリトさんが叫んだ。
「カーディナル!いや茅場!そうそうお前の好きにさせるかよ」
 キリトがキーボードを操る。
ウィンドウが示される。そうか。
「キリト、茅場のシステムコードは全て暗号化されてるが俺がベータテスターとしてログインしていた時に使っていたログインパスワードがあるそれはM03AT‐NX。ソードスキルの学習AIのアカウントだ。管理者権限もある使ってくれ」
「ありがとう、ジン。なんだかお前とはいい友達になれそうだ」
 キリトがふっ飛ばされた。しかし手のひらにあるのは宝石のようなしずくだった。
「キリトくんそれは?」
「ユイのこころだ、ユイの人格プログラムを分離してオブジェクト化したんだ」
「ユイちゃんの心」
 良かった、これで希望が残る。

ボス攻略直前
「なあ、レイ」
「なに、ジン」
「レイは俺が守る」
「うん、私もジンを守る」
「約束だ、くそこんなことしか約束できない」
 レイがおれを抱きしめる。
「いいんだよ?ジン。今はあなたの言葉がなによりの助けです」
「ああ……」
「いきましょう」
「うん、行こう!」 
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