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おぢばにおかえり

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第五十一話 お餅つきその二十

「何処の特撮のダークヒーローよ」
「それに似てます?」
「ええ、かなり昔の仮面ライダーで出て来たわね」
 確かサイドカーに乗っていたライダーでした。
「そっくりじゃない」
「自分でもわかってますけれどね」
「わかっていたらなおすの」
「すぐにですか」
「そうよ、そんな癖性分阿波野君にとってもよくないわ」
「よくないですか」
「よくないに決まってるでしょ」
 またすぐに言い返しました。
「自分に返ってくるわよ」
「その悪い癖性分が」
「そうよ、というか嫌いな相手はとことん恨むの?」
「恨みますね、僕は」
「それ絶対に止めなさい」
 心から注意しました。
「長池先輩だって辛そうなお顔になってたでしょ」
「それはそうですが」
「それでもまた言うの?先輩にお会いしたら」
「それだけ残酷な人ですからね」
「残酷な人じゃないわよ」
 確かに東寮でも怖いって言ってた同級生が結構いました、けれど先輩が誰かを怒ったってお話は聞かないですし私にはいつもとても優しくて親切な先輩でした。
 ですからそんな怖いとか残酷とかいうお話は信じられなくて。
「とてもいい人よ」
「そうなんですか」
「そうよ、阿波野君にも怒らなかったでしょ」
「それはそうですね」
「そんな怖いとかね」
 そうしたことはとてもです。
「ない人よ」
「本来はいい人ですか」
「本来じゃなくて全部よ」
 こう阿波野君に言いました。 
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