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星河の覇皇

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第七十一部第一章 掃討作戦その二十

「苦労するな」
「巨大なだけに」
「全くだ、しかし」
「それでもですね」
「この艦にいるとだ」
 艦内の設備を観つつ話す。
「何かが違うな」
「これまでの艦と」
「私は戦艦の艦長だった」
 見れば航海長の階級は大佐だ、連合では戦艦の艦長等を務める。
「その時これ程の艦の艦長とはとな」
「思われたのですか」
「軍人冥利に尽きると思った」
 そこまで思ったというのだ。
「よかった、だが」
「この艦はですね」
「比べものにならない」
「まさにですか」
「今言った言葉だが」
「軍人冥利にですね」
「尽きる」
 まさにという言葉だった。
「まことにな」
「軍人ならばですね」
「見事な船に乗りだ」
「そのうえで戦いたい」
「そう思いますね」
 航海士も答える。
「やはり」
「だからだ、私は今の仕事をだ」
「満足されて」
「そのうえで行っている」
「私もです」
 航海士も答えた、見れば彼の階級は中佐だ。巡洋艦等では艦長である。
「やはり」
「満足しているか」
「この艦に配属されるとはです」
「思っていなかったか」
「はい」
 実際にと答えたのだった。
「想像もしていませんでした」
「そうか、君もか」
「巡洋艦の艦長になると思っていました」
 中佐になればというのだ。
「おそらく」
「しかしだな」
「まさかです」
「中佐に昇進したと同時にだったな」
「この艦に配属を告げられました」
「それがか」
「想像もしていませんでした」
 こう航海長に話した。
「まことに、それにです」
「それに、どうした」
「これだけの艦艇は古来なかったですし」
「ティアマト級以上だからな」
「家族に話しても誇れますね」
「そうだな、具体的にどの船に乗っているかは言えないが」
「巨大な船に乗ってると」
 それも途方もなくだ。
「自慢出来ます」
「ささやかな自慢だな」
「そうですね」
 そうなるとだ、航海士は航海長に笑って答えた。
「まさに」
「艦の規模が違う」
 他の艦とはというのだ。
「巨大なだけでなく」
「居住設備も」
「非番の時も退屈はしない」
「図書館も売店も揃っていますし」
「有り難いことにな」
「私はです」
 航海士がここで言うことはというと。 
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