レーヴァティン

「これだけだとな」
「足りないわね」
「大臣も怪しいしな」
「将軍はね」
「もっとだよ、もっと言えば」
　久志は難しい顔のままさらに話した。
「大臣とか将軍とかいうよりな」
「もっと上ね」
「宰相が六人でな」
　それでというのだ。
「元帥が六人」
「そうしてというのね」
「その下にな」
「大臣や将軍がいるのね」
「大臣は江戸時代だと奉行か」
　幕府のそれになるかというのだ。
「そんな感じでな」
「じゃあ宰相は老中ね」
「ああ、六人にそうなってもらってな」
「そうしてそのうえで」
「六人の元帥だよ」
「そうしていきたいのね」
「ああ、ただ十三人共な」
　久志を入れてというのだ。
「文武両方やっていくけれどな」
「細かい区分はしないのね」
「俺達自体はな、けれどな」
「その下になると」
「はっきり分けてな」
　文武、それをというのだ。
「そうしてな」
「やっていこうっていうのね」
「少なくとも半島全体カバー出来る位は」
　それ位はというのだ。
「人材揃えるな、ただな」
「ただ？」
「半島全体が揃えるギリギリだとな」
　それはとだ、久志はさらに話した。
「そこからが大変だな」
「そうそう、おいら達半島全体の統治と防衛が目的じゃないね」
「この浮島全体をそうしてな」
「そのうえでだよね」
「そこからな」
　さらにというのだ。
「海の魔神だって倒さないといけないだろ」
「そうだよ」
「だったらな」
「半島の統治が落ち着いたら」
「その後ですぐにまた戦だしな」
「相手が攻めて来るかも知れないし」
「だったらな」
「人材は半島全体を治め守る位じゃなくて」
「より多く必要だな」
「そうだよ、もっと必要だよ」
　まさにというのだ。
「これからのことを考えるとね」
「そうだな、じゃあ多めに集めてくか」
「そうそう、後ね」
　淳二は久志にさらに話した。
「さしあたってどの勢力を攻めるかも考えないといけないしね」
「そのこともあるな、まあとりあえずはな」
「文武の人材をね」
「多く揃えていこうな」
「そうしようね」
　半島全体を治め守るだけでなくそれ以上の数をとだ、こう話してだった。
　久志は早速だった、南の王国の王と王弟をローマに呼んだ、すると整った顔立ちで茶色の髪と青い目の二人の男達が来た。
　一人は髭がなく膝までの白いズボンに装飾のある上着を羽織りストッキングも白だ、靴も同じ色だ。装飾の色は金色だ。
　もう一人は口元や顎は奇麗だが頬髯を生やしている、こちらは黒いズボンと上着で銀色のボタンや刺繍が入っている。穿いているのは黒のブーツだ。
　その二人がだ、それぞれ名乗った。