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レーヴァティン

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第百四話 半島統一その一

               第百四話  半島統一
 夜襲を退けたローマ軍はその日は休み次の日になって進太と清音にそれぞれ兵と使者達を渡してだった。
 各砦を降らせに出陣した、そしてだった。
 久志自身は使者を王都に送った、そうして言った。
「あれ、これでな」
「王国側がどう言うか」
「それ次第ですね」
「ああ、それ次第でな」
 まさにというのだ。
「戦が終わるぜ」
「そうですね」
「そうなりますね」
「ここで王国が降ってくれれば」
「それで、ですね」
「戦は終わりですね」
「そうなるぜ、ただな」
 ここでだ、久志はこうも言った。
「それはあくまで降ればだからな」
「若し降らないと」
「その時はですね」
「王都への総攻撃ですね」
「そうなりますね」
「ああ、城攻めだな」
 そうなるというのだ。
「大砲も術も使ってな」
「そうなりますね」
「なら降らない時は」
「即座にですね」
「総攻撃に入るぜ、ただ出来ればな」
 久志は自分の願いも述べた。
「本当にな」
「そうしたことにはならず」
「降ってくれてですね」
「それで終わって欲しいですね」
「本当にな、しかしここまで追い詰めたにしても」 
 それでもとだ、久志は今度はこう言った。
「敵は中々やったな」
「夜襲にしてもそうですね」
「迎撃の仕方もしっかりしていましたね」
「戦の基本は全て踏まえていました」
「的確でした」
「兵も強くて装備もな」
 ローマと比べるとかなり落ちるにしてもだ。
「結構しっかりしてたしな」
「騎兵も弓兵も多く」
「槍も長かったですし」
「鉄砲もそれなりにありました」
「いい感じでしたね」
「王弟は確かに結構出来る奴だな」
 彼の軍事的才能について言うのだった。
「そして統治もな」
「それもよかったですね」
「田畑も街も豊かですし」
「治安もよく」
「善政が敷かれているのがわかりますね」
「王様が内政やってるっていうけれどな」
 今度はこの人物のことを考えるのだった。
「無能じゃないみたいだな」
「兄弟それぞれで」
「その様ですね」
「兄弟で政治と軍事を分けていたそうですが」
「悪くないみたいですね」
「ああ、正直もうな」 
 久志は考える顔でさらに言った。
「俺達十三人だけじゃな」
「護民官達だけではですか」
「そう言われますか」
「官僚機構は整えたさ」 
 当然軍事のシステムもだ、ローマの強さはそうした統治や軍事のシステムを整えていることもその根拠の一つなのだ。
「けれどな」
「それでもですか」
「それだけでは足りない」
「そう言われますか」
「人材がな」
 それがというのだ。 
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