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星河の覇皇

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第七十一部第一章 掃討作戦その十五

「チームはバラバラになり」
「采配も育成もあったものでなく」
「チームは崩壊の一途だとか」
「そうなっていますね」
「そうした例を見ますと」
 どうかというのだった。
「やはりフロントは現場に介入すべきではありません」
「監督、コーチ、選手に任せるべきですね」
「そこの矜持は守る」
「そうするべきですね」
「ですから」
 ここでまた八条が言った。
「我々もです」
「文民は戦場には介入すべきでない」
「戦いの場は軍人の方々に任せるべきですね」
「スポーツチームと同じく」
「そうあるべきですね」
「そう思います、国防長官といえど」
 軍を統括するその立場にあってもというのだ。
「現場のことは現場です」
「制服組の仕事、ですね」
「そうなるからですね」
「ここは状況を観ていても」
「介入はされませんね」
「孫子にあります」
 この時代でも言われている言葉である。
「君命といえども従うなと」
「戦場においてはですね」
「戦場のことがわかっていない者の介入は退けよ」
「そのうえで戦え」
「指揮官の心構えですね」
「これは今も生きている言葉です」
 そのままというのだ、この時代から見て三千七百年近く昔の言葉であるがだ。
「現場を知らない者は統括者であってもです」
「現場のことには介入するな」
「現場は現場ですね」
「現場の指揮官に任せるべき」
「そういうことですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ですから絶対にです」
「長官もですね」
「介入はされませんか」
「決して」
「ゼネラルマネージャーですので」
 また自分をこう例えたのだった。
「ですから」
「決してですね」
「采配には口を出されませんか」
「絶対に」
「見ています」
 それに務めるというのだ。
「介入すればその時点で作戦は失敗します」
「まさにですね」
「その時にですね」
「作戦は失敗し」
「大きな損害が出てしまいますね」
「連合でもそうした事例は多いです」
 スポーツの話ではなく軍事でだ、この場合は。
「海賊征伐等で政府の文民があれこれと介入して」
「それが作戦の失敗や混乱につながったことは」
「連合でもありますね」
「そうした事例が」
「これまでの歴史の中で」
「各国政府のそれを見ますと」
 中央政府軍設立前のだ、彼等が連合の軍隊だった時代はというと。
「時折です」
「国防長官や首相、大統領が現場に介入し」
「そして作戦を失敗に導いたことがありますね」
「千年の間に」
「そうした話も多いですね」
「そうです、ですから」
 そうしたことを知っているからだというのだ。 
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