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八条学園騒動記

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第五百十三話 素晴らしきかな文学その十

「結局はな」
「それが結論ってことね」
「ああ、本当に思うことはな」
「真にいいものは誰が読んでもわかる」
「真理は案外簡単だってな」
「そうも言うわね」
「宗教の教えもな」
 これもというのだ。
「簡単だしな」
「そうよね。案外ね」
「何をしろ、何は駄目でな」
「何を目指すかね」
「実は簡単だしな」
「まあ禅は修行をして」
 仏教のこの宗派はだ。
「それでね」
「そのうえで辿り着くな」
「そうしたものだけれど」
 それでもというのだ。
「何でもそこに至るまでが大変でも」
「禅の真理もな」
「案外簡単なものだっていうしね」
「わかりやすいな」
「そうしたものだっていうし」
「至るのが大変でもな」
「真理自体は案外簡単でね」
 ナンシーはさらに話した。
「実は誰でもわかる」
「そうしたものらしいな」
「禅宗もな」
「俺もそんな話は聞いた」
「気付けばそうだって」
「気付くまでが大変でもな」
「けれど難しい文章は」
 哲学のそれはというと。
「その実はね」
「何でもない」
「中身がないとかよね」
「何を書いていて何を言っているかわからないと教祖だが」
 そうなっていたがというのだ。
「誰でもわける文章を書くとな」
「もう只の人とか」
「そうかもな」
「結局書いている中身はないってことね」
「難しい文章というだけでな」
「そういうこともあるし」
「というか大抵な」
 難しい文章はというのだ。
「実はそんなものだろう」
「そうなのね」
「まやかしか」
 こうもだ、洪童は言った。
「要するに」
「そうした人は」
「ああ、中身がなくてな」
 それでというのだ。
「読む価値がない」
「厳しいわね、けれどね」
「実際哲学者にはな」
「そんな人いるでしょうね」
「思想家にもな、賢そうに見えて」
 その実はというのだ。
「馬鹿だとかな」
「あるわよね」
「シェークスピアは間違いないけれど」
「そうだな、思想家といってもな」
「頭いいとはね」
「本当に限らない」
「間違っていないともね」
 それこそというのだ。
「わからないわよね」
「そうだよな、そもそもな」
 洪童も話した。
「頭がいい悪いは人それぞれでな」
「思想家っていうだけでね」
「そうとも限らないからな」
 そうだとだ、洪童は言うのだった。 
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