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星河の覇皇

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第七十一部第一章 掃討作戦その五

「今回もな」
「犠牲者は出ず」
「そのままエネルギーに出来ていた」
「そうなっていましたね」
「しかしだ」
「人類はそこまで至っていない」
「残念なことにな」
 こうバルバロッサに言うのだった。
「犠牲者も出たのだ」
「災害、自然に完全に勝つことは難しいですね」
「むしろ勝てるものではないか」
「人間が」
「自然の力は偉大だ」
 この時代でも言われていることだ。
「どうしてもだ」
「完全には勝てない」
「そうしたものだ」
「自然は神々のものですね」
「そう思う、そしてだ」
「その自然の中にですね」
「我々もいる」
 こうも言ったシコースキーだった。
「人間もな」
「人間も自然の一部ですね」
「文明もな」
「自然と文明は対立するものではなく」
「一つだ」
 同じものだというのだ。
「世界にあるな」
「同じであり、ですね」
「もっと言えば一部だ」
 文明は自然の一部だというのだ。
「自然の中にある人間の世界の一つだからな」
「野生ではないにしても」
「野生も一つの世界だが」
「やはりですね」
「自然の中にあるものだ」
「即ち自然は全てですか」
「人類の社会のな」
 まさにというのだ。
「そうなるだろう」
「それが司令のお考えですか」
「そうも考えている、世界はだ」
「神々のものであり」
「自然だ」
 世界即ち自然だというのだ、これがシコースキーの考えだった。
 そしてだ、バルバロッサにこうも言ったのだった。
「その中での自然の猛威にはだ」
「人は、ですね」
「完全に勝つことは出来ない」
「どうしてもですね」
「災害で命を落とす者はなくならない」 
 相当に減らすことは出来てもというのだ。、
「完全にはな」
「そういうものですか」
「完全になればいいが」
 災害での犠牲者がいなくなる、一人もというのだ。
「それは不可能だ」
「どうしてもですか」
「急な巨大地震だけではない」
 今度の様なそれはだ、それは相当なものだった。
「雷も火事も台風もあるが」
「どうしてもですね」
「そこから完全に逃れることは出来ず」
「克服することも」
「出来ない」
 完全には、というのだ。
「それは出来ない」
「そうしたものですか」
「そうだ、病気もそうだ」
「それも自然ですね」
「そうなる」
 病気というものもというのだ。 
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