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リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
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男の幸せ②

<ラインハット城>

ルーラでラインハットまでやって来た。
ヘンリー驚くだろうなぁ。

先ずはデール君に報告。
「ちっす、元気してた?デール君」
「はい。おかげさまで…ところで、お一人ですか?珍しいですね?」

「うん。今度、絶世の美女と結婚する事になったんだ!」
「ご結婚なさるんですか!おめでとうございます!」
「うん。2日後だけどね」
「2日!?い…いきなりで、いきなりですね…」
言いたい事は分かるが、酷い台詞だ。
「あ!待っていて下さい!今、兄さんを…ヘンリー兄王を呼んできます!」

澄ました面してヘンリーが下りてきた。
「やあ、ヘンリー。まだマリアさんは愛想を尽かしてない?」
「あのなぁ…まったく…お前こそどうなんだ?ピエール達に嫌われたん…じゃ?」
俺が一人で居るって、そんなに珍しいかな?

「おい!ピエール達はどうした!?本当に…」
「そんな訳ないだろ。他のみんなはサラボナで人質になっている」
「人質!?どういう事だ!」
「うーん…僕が逃げ出さない様に…かな?」
説明がめんどくせーからこれ読め!
「これ…読めば分かるから」
結婚式の招待状に目を通すヘンリー。

「お前、結婚すんのか!?」



式まで時間が無い事を伝え、参列者を募る。
「何でこんなギリギリで招待状を配ってるんだよ!」
「しょうがないじゃん!プロポーズしたのついさっきなんだから!」
「じゃぁ、それに合わせた結婚式のプランを立てろよ!」
「だって…早く結婚式を挙げないと浮気するだろ!って言われたんだもん!ヒドく無い?」
「ルドマンさんは賢いなぁ…」
納得しちゃったよ、この人!
ムカつかない!?ムカつくよね、これ!?

皆に声をかけ参列を確認するヘンリー…
ヘンリー、マリアさん、ヨシュアさん、マリソル、デルコ、この5人が参列する事に決まった。
マリソルなんかは泣きながら「私がリュカさんと結婚したかったのに…」と、可愛い事を言ってくれる。
でも、もう勘弁して欲しい…
あの騒動は二度と経験したく無い!

「リュカさん、このままサラボナへ行くのですか?」
「いえ、マリアさん。次は海辺の修道院へ行きます」
第二の人生の出発点だしね…


<海辺の修道院>

何か、ここに来るのも久しぶりだな。
修道長に結婚を報告する。
「まぁ、おめでとうございます。リュカもとうとうご結婚されるのですね」
「はい。つきましては、お世話になったシスター方にご参列頂こうと思いまして、お迎えに上がりました」

「シスター・アンジェラ。貴女がご出席してあげなさい」
「修道長様は?」
「私はここでリュカの為に祈りを捧げたいと思います。リュカ、シスター・アンジェラを連れて行って頂いてもよろしいですか?」
むしろ、ババアが来るより嬉しいね。
「はい」

「では支度をして参ります。少々お待ち下さい」
アンジェラさん美人だよねぇ~…
「アンジェラさーん!荷物はそんなに必要ないですから。殆どサラボナでルドマンさんが用意してくれます。着替えを1.2枚で大丈夫ですよ。何なら裸でもいいし…いや、むしろ裸の方が…」

(ゲシ!)
「お前は…結婚すんだろ!」
「関係ないだろ!結婚したって、嫁がいたって、女の裸は見たいだろ!」
良い子ぶってんじゃねぇーよ!
「リュカさん!私なら何時でも見ていいですよ!」
だからマリソル好き!
「マリソル…期待…しちゃうよ、僕…」
(ポカ!)(ポカ!)
「「いたーい」」
「お前らは~…」
「ふふっ…アナタは弟妹が沢山いますね」
「まったく…手のかかる…」


<サンタローズ>

相変わらずでかいオッパイを揺らしながら俺の報告に驚くフレアさん。
「リュー君、結婚するの!?」
「はい。アルカパに住んでいたビアンカと…」

結婚の報告に来たのにキスされた!
ちょっと結婚の意思が揺らぐね。
「こんなに愛している私を捨てるの!?」

「捨てないよ。結婚はするけど捨てないよ」
ちょくちょく遊びに来よ!
ビアンカにばれない様にしないとね!
(ゲシ!)
ヘンリーに蹴られる!
「そんな訳いかねぇーだろ!」
「あいた!」

「ちょっと!ヘンリー様!リュー君に乱暴しないで!」
「そうよ!ヘンリー様!」
「うっ!マリソルまで…」
ヤバイじゃん!
俺、モテモテじゃん!
やっぱ結婚すんの勿体ねぇーな!

「じゃぁ…それでいい!リュー君の事お祝いするね。でも、サラボナへ行ったら悔しいからビアンカちゃんをいぢめる」
「(クス)…ビアンカは強いよ。かなりの修羅場潜り抜けたから」
結構バラ色の人生だね!


<山奥の村>

あ~…やっべ~…緊張してきたかもしんない!
よく考えたら、ここに一番に来なきゃダメだろ!?
つーか全てにおいて順序間違ってるよね!

『娘さんを僕にください!』って言う前に結婚式の招待状を渡す…
今更断られたらどうすんの?
『お前にビアンカはやらん!』って言われたらどうしよう…
参列客を引き連れて来る所じゃないよね!?

ダンカンさんが優しそうに微笑んでいる。
「おや?リュカ…どうしたんだい?こんな大人数で…ビアンカの姿が見えないが…いったい…?」
「ビアンカはサラボナで結婚式の準備をしています。お義父さん」
「…?お義父さん?…リュカ…お前はサラボナのフローラさんと結婚する為に、危険な試練を受けたのではないのかね!?」
「何!どういう事だ!詳しく聞かせろ、リュカ!」
俺とダンカンさんの会話に割り込むヘンリー。

あ゛ー、うるっせーなコイツ!
今、それどころじゃねぇーだろ!



大分端折ったが、大まかには説明出来たね。
驚いてはいるが、納得はしてもらえたはず…

「…リュカよ!父親としては嬉しい限りだが…ビアンカと結婚しては、天空の盾が手に入らないのでは?」
アンタもそう言う事言うか!
「いりません!あんな物!どうせ装備出来ませんし!」

「しかし…パパスの…」
いいんだよ!あんなもん!!
「僕はこの世界の何よりもビアンカが好きなんです。ビアンカと結婚して後悔はありませんし、これからもしません」
アンタが『娘はやらん!』と言っても結婚するから!

「リュカ…お前に話しておく事があるんだ…」
何だぁ~、そんなに俺に娘をやりたくないのか!?
「もしかして、ビアンカとは血の繋がった本当の親子じゃないんですぅ~とか言う?」
「!!知っていたのか!?」
………嘘だろ!オイ!正解しちゃったよ!

言う!?
今ここで、そう言う事言う!?
「え!?…えぇ…まぁ…」
何て答えればいいんだ…

「そうか…知っていたか…ビアンカは私とアマンダの「どうでもいいです!」
「おい!リュカ!どうでもいいはないだろ!」
もうムリ!
これ以上難しい話はしないで!
キャパシティオーバーです!
もうどうでも良いです!
俺はただ、ビアンカとエッチしたいだけですから!

「僕とビアンカが実は血の繋がった姉弟だったら重要な事だけど、この場合はどうでもいいです」
血が繋がっていたらヤバいけどね!
「僕が愛しているビアンカという女性は、ダンカンさんとアマンダさんに育てられた素敵な女性です。そしてビアンカがダンカンさんをお父さんと呼ぶ限り、僕にとって貴方はお義父さんです。これからも娘夫婦を暖かく見守って下さい。よろしくおねがいします」
ともかく、そう言う事で納得しろ!
もうこれ以上話をめんどくさくするな!
また、あの花嫁選びを再開したくないから!


<サラボナ-ルドマン邸>

2日がかりで参列客を連れ帰り、ルドマンさんに報告をすると、
「リュカ、戻ってきて早々悪いのだが、もう一つ用事を頼みたい」
何だよこのおっさん!
結婚式費用を負担するからって、調子こいてんじゃねーぞ!

「何ッスか?」
「うむ、実はな…ここから北に行った所に山奥の村があってな、そこの職人に花嫁用のシルクのヴェールを注文してるのだよ。それを受け取って来てくれ。お前の花嫁の為に注文した物なんだから…」
(怒)今さっき、そこから帰って来たんだ!!
「分かりました!!行ってきますよ!!」
俺はビアンカに会いたい衝動を抑え、再び山奥の村へと飛んで行く。
「んだよ!あのハゲ!先に言えよ!二度手間じゃねぇーかよ!」


<山奥の村>

村に着き、件の職人を捜す。
村人に聞くと、村の入口付近の洞窟で商いをしているのが、その職人だそうです。

「あのぉ~…シルクのベールを受け取りに来たんですけどぉ~」
中にはおっさんが一人。
「おう!良く来たな。既に出来上がっているぞ!」
何か馴れ馴れしいおっさんだ。
………何処かで会った事がある様な………

「あれ?クライバーさん!?もしかしてサンタローズで薬師をしていたクライバーさんですか!?」
「何だ?俺の事を知っているのか?」
やっぱりそうだ!

「僕です!パパスの息子、リュカです!」
「なんと!?無事だったのかリュカ!良かった!本当に良かった!!」
「クライバーさんも、よくご無事で」
「うむ…ちょうどラインハットが攻め込んできた時に、サンタローズから離れておってな…俺だけが助かってしまったのだよ…」
………そうか、ご家族はもう…

「で、お前さんはどうしていたのだ、今まで?」
俺はこれまでの事をクライバーさんに告げた。



「そうか…パパスは死んだか…お前も苦労をしたのだな…」
「クライバーさん、大丈夫ですよ。僕は今、幸せ絶頂期ですから」

「お!?そうか、シルクのベールを必要としているという事は結婚するのか!」
「そうです。クライバーさんは覚えていますか?アルカパに住んでいたビアンカを…」
「覚えてる、可愛らしい女の子だった。あの娘の為にお前は一人で洞窟へ入って行ったけな!」
「そうです。ちなみにアルカパからこの村に移り住んでいた事はご存じですか?」
「何!?何時からだ!?」
「もう、8,9年前と聞きましたが…」
気付かなかったの?マジで!?

「3年もこの村にいて気付かなかった!この村の何処に住んでいたんだ?」
「一番奥の家にです」
「それじゃぁ、あの美人さんがビアンカちゃんか!!この村の若い男は…イヤ、若くない男も、みんな狙っていたのだぞ!上手い事やりやがって!」
「あはははは!」

俺は嬉しい再開に思わず時間を費やしてしまった。



「………おっと!これ以上引き留めては申し訳ないな!ほら、これがシルクのベールだ。ビアンカちゃんにお似合いだろうて」
「ありがとうございます」
俺はシルクのベールを受け取り、クライバーさんの元を後にする。



<サラボナ-ルドマン邸>

「ただいま!」
俺はビアンカが待機している部屋へ入る。
そこにはフローラやフレアさんがビアンカと楽しげに会話をしていた。

「おわ!ものっそいキレイじゃん、ビアンカ!」
侮ってました。
ビアンカすっげ~キレイ!
ヤバイ、ヤバイです!
押し倒したいです!!

「もう結婚式なんかより初夜迎えたいんだけどベット行かない?」
「何子供の前で馬鹿言ってんだ!」
うっさいのぉ~コイツは!

「いた~い。何すんの…主役よ!?今日、僕は主役なんですよ!」
「じゃぁ、真面目にやれ。」
出来るか!
こんな美女を目の前にして!

「みんなが居たから恥ずかしくって戯けたんじゃないかぁ~」
「みんなが居なかったら押し倒しているだろうが…」
さすがヘンリー…俺の事を分かってる!
「てへ」



 
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