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レーヴァティン

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第百三話 夜襲破りその一

               第百三話  夜襲破り
 久志達は数日の間各都市に送り込んでいる諸都市を陥落させているという報告を聞いてだ、こう言った。
「いい報告が続くな」
「ええ、これでね」
 清音は地図を観つつだ、久志に応えた。
「王国の都市の半分はね」
「手中に収めたな」
「降らせてるし」
 それでというのだ。
「いい感じよ」
「そうだよな」
「そう、ただ」
「それでもだよな」
「問題は夜よ」
 清音は目を鋭くさせて久志に話した。
「これからよ」
「そうなんだよな」
「今はまだね」
「仕掛けて来なくてもな」
「もうどんどんね」
「敵は追い詰められてきてるしな」
「今日にでも」
 それこそというのだ。
「来るかもな」
「そうよ、だからね」
「もう身構えておくか」
「斥候でござるが」
 それを出している進太も言ってきた。
「数を増やして見回させているでござるが」
「それでもか」
「一向にでござる」
「見付かってないか」
「ただ、まだ攻めていない砦等に」
「ああ。そこにか」
「結構な兵がいるでござる」
「じゃあその砦からな」
「敵が攻めて来るでござる」
 そうしてくるというのだ。
「おそらくでござる」
「そうだよな、だったらな」
「それならでござるな」
「砦をじっくりと見てな」 
 そしてというのだ。
「報告させてくれ」
「わかったでござる」
「そしてな」 
 久志はさらに話した。
「砦から陣地の外に攻めてきてもな」
「その時にでござるな」
「迎え撃ってな」
 そうしてというのだ。
「撃退しような」
「夜襲を撃退したら」
 それでとだ、清音も述べた。
「もう敵には打つ手がなくなるから」
「一気に降らせる流れに傾くな」
「只でさえ王都以外の街が陥落して」
 そうなっていっていてというのだ。
「領地は減って兵もね」
「兵がいる街が陥落していってるしな」
「日増しにね」
「追い詰められていっててか」
「それで夜襲も失敗したら」
 それでというのだ。
「打つ手が完全になくなったって思って」
「それでだな」
「もう降るわよ」
「そうなるな」
「そう、それでね」
「降らせてな」
「半島の統一がね」
 それがというのだ。
「成るわよ」
「今回の夜襲でそれが決まるか」
「若しかしたらな」
「それじゃあな」
 こう話してだ、そしてだった。 
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