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星河の覇皇

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第八十部第五章 無政府主義者その十二

「あらためよう」
「再びですね」
「マウリア社会の中に組み込む」
「そうしていきますか」
「彼等の社会もある」
 アウトカーストの彼等にもというのだ。
「そして産業もだ」
「様々な、ですね」
「人口も数百億いるといいますし」
「一説には千億とも言われていますし」
「総生産もかなりだそうですね」
「マウリアは独特な国だ」
 そのマウリアの国家主席の言葉だ。
「人口統計に存在していない人間が存在してだ」
「そして裏の総生産もかなりですね」
「表に匹敵する」
「そうも言われていますね」
 言うまでもなくアウトカースト層のものだ。
「それをですね」
「マウリアの中に組み込んでいく」
「そうしていかれますね」
「人口統計を行ったうえで」
「そうしてから」
「そうだ、アウトカースト層の指導者達からの支持も取り付けた」
 その彼等のというのだ。
「充分出来る、彼等の居住地域のことも把握した」
「全てですね」
「では後は居住地域に人を派遣してですね」
「マウリアに組み込みますか」
「政府の中に」
「そういしていく」
 こう側近達に話した。
「そしてそのうえでだ」
「アウトカースト層もマウリア社会に入り」
「その構成員となる」
「そうなりますね」
「まさに」
「そうだ、そしてアウトカースト層にもだ」
 これまで社会から阻害されていてマウリアの中において独自の社会を構成しその中で生きていた彼等にもというのだ。
「参政権が与えられてだ」
「選挙に立候補して、ですね」
「投票も行う」
「資金援助も行い」
「一つの勢力になりますか」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「政党も構成するかもな」
「アウトカーストの政党ですか」
「そうした政党もですか」
「出来ていく」
「そうなることも考えられますか」
「そうなるかもな、それにだ」
 さらに言った彼だった。
「実はアウトカーストの指導者の中で若いが見事な者がいた」
「若いのですか」
「そうなのですか」
「まだアウトカーストの大学を出たばかりだが」
 それでもというのだ。
「彼等の中で名門の家系に生まれてな」
「そして大学も出た」
「そうなのですか」
「そして家の資金と自身の資質を使いだ」
 そのうえでというのだ。
「彼等の指導者の一人となっている、いや」
「いや?」
「いやといいますと」
「彼等の中でもだ」
 そのアウトカーストの指導者達の中でもというのだ。
「一番の有力者とのことだ」
「まだ二十代だというのに」
「そうした人物なのですか」
「絶大なカリスマも持っている様だ」
 その若者はというのだ。 
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