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星河の覇皇

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第八十部第五章 無政府主義者その十一

「非常に国内の政治が乱れやすい」
「中央政府と各国政府で」
「それぞれの中で無数に衝突が起こり」
「政治的停滞は常ですね」
「あの国の宿痾ですね」
「それはいつも起こる、そのせいで動きは止まる」
 政治的なそれがというのだ。
「だからそれは守ってな」
「そして、ですね」
「そのうえで、ですね」
「あの国のそれが起こることもですね」
「考えておきますか」
「むしろ起こすことも大事だ」
 クリシュナータはここでまた笑って言った。
「彼等の間にな」
「そして付け込み」
「それを利用してですね」
「連合の勢力拡大を妨げる」
「順調なそれを」
「それも手だ、もっとも我々が動く前にだ」
 連合、この国はというのだ。
「自分達から乱れる」
「そうした国ですね」
「常に衝突が起きますね」
「議会や論争だけのことにしても」
「常ですね」
「デモにもなりな、しかしそれにより力がそちらに向かう」
 連合の巨大な力のそれがだ。
「連合の力は容易に一つにはならないがだ」
「それがさらに乱れる」
「自然とそうなる」
「勢力が多くあるが故に」
「そうした国だからですね」
「我々はそこにだ」
 まさにというのだ。
「付け込めばいい、いざとなればな」
「それで連合の伸張を少しでも弱め」
「その間にエウロパに大いに発展してもらう」
「そして我々も」
「そうだ」 
 側近の一人の言葉にだ、クリシュナータは頷いてみせた。
「無論他国だけでない」
「我々もですね」
「発展すべきだ」
「それは当然ですね」
「さもないと本末転倒だ」
 まさにというのだ。
「我々が発展せねばな」
「バランサーとして利益を得るだけでなく」
「そうしたこともですね」
「怠らない」
「それも当然ですね」
「これまで通り産業を育成していき開発、開拓も我が国のペースで進めていくが」
 ここでだ、クリシュナータは目を光らせて側近達に言ったのだった。
「さらにだ」
「はい、さらにですね」
「アウトカースト層への人口統計」
「それも行いますか」
「遂に」
「その時が来た」
 ギルフォードは目を光らせて言った。
「まさにな」
「今こそですね」
「彼等の人口や社会の上級を把握し」
「そして、ですね」
「彼等の産業も国家経済の中に組み込む」
「そうしていきますね」
「当初はそうしていたがな」
 二十世紀末から数百年のことをだ、クリシュナータは話した。
「我が国も」
「そうでしたね、ですが」
「カースト制度が見直されていき」
「それでアウトカースト層は再び排除されました」
「マウリアという社会から」
「だがそれをだ」
 これからはというのだ。 
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