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八条学園騒動記

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第五百十一話 図書館で学ぶことその五

「それでよ」
「小説とか読む方か」
「あと漫画ね、それで哲学書読まなくても」
「そうした本を読むとか」
「いいでしょ。というか哲学書読まないと死ぬの?」
「それはないな」
 洪童もはっきりと答えた。
「どう考えても」
「そうでしょ」
「人間飯や水がないと死ぬが」
「それはそうよね」
「それでもだ、究極で言うと本を読まなくてもだ」
「死ななくてね」
「哲学書もな」
 このジャンルの本もというのだ。
「特にだ」
「そうでしょ、けれど人生の勉強に読書はよくて」
「それでだな」
「読んでわかりにくい哲学書より」
「よくわかる本でよ」
「それがシェークスピアだな」
「小難しい言葉や造語の羅列なんて」
 それこそというのだ。
「読んでも意味ないから」
「わかりやすくないと駄目か」
「私の頭が悪いだけかも知れないわよ」
 ナンシーはこうも言った。
「けれど小難しい言葉並べたてるとかね」
「嫌いか」
「書いている本人がわかってるのかしら」
 そうした言葉を文章で書き連ねてもというのだ。
「何が言いたいのかとかね」
「そういった文章は実際にあるな」
「そうでしょ、変に難しい言葉ばかり書いてね」
「何を言いたいかわからないな」
「書いている人がね」
 読解力等を抜きにしてだ。
「難しい文章は実はまやかしだ」
「そうした言葉もあるか」
「常に真理は単純明快で」
 それでというのだ。
「読んでわかりやすい」
「そうしたものか」
「それでよ」
「それがシェークスピアか」
「そうよ、シェークスピアはね」
 まさにというのだ。
「読んでわかりかすい」
「そうした作品だな」
「だから真理よ、小難しいわからない文章を理解しようと有り難がって読んで」 
 その様にしてというのだ。
「それで自分がわかった気になってもね」
「実はわかっていない、か」
「そんなの馬鹿でしょ」
 まさにというのだ。
「それこそ」
「自分が賢いと誤解するだけか」
「難しいことを理解したってね」
「何かよくありそうな話だな」
「それよりもわかりやすい本読んで真理を学んで」
 そしてというのだ。
「真理を理解する」
「それも簡単にだな」
「それに尽きるでしょ」
「その通りだな、だがな」
「だが?」
「経済とかそれぞれの分野を読む時はな」
 その場合についてもだ、洪童は話した。
「その分野の知識は必要だな」
「それぞれのね」
「さもないとな」
「わからないわよね」
「そうだ」
 そこはというのだ。 
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