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星河の覇皇

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第七十部第四章 賊達への攻撃その三十四

「何かと」
「それならだ」
「身辺にはですね」
「気をつけることだ」
 くれぐれもと言うのだった。
「私もそうしているがな」
「大統領もですね」
「やはり身辺には気を使っている」
「ボディーガードも多く持って」
「そうだ、食事もだ」
「気をつけておられますか」
「中央政府の大統領でもあったな」
 その目を鋭くさせてだった、キロモトは八条に問うた。
「急死は」
「千年の歴史の間に」
「その急死のうち何割かはだ」
「暗殺の可能性がありますね」
「そうだ」
 だからこそというのだ。
「私もだ」
「そこは、ですか」120
「注意することだ」
「連合だけのことでないが故に」
「十分にな、ではだ」
「はい、そうしたことにも注意しながら」
「これからも頼む」 
 こう言うのだった、八条に。
「是非な」
「それでは」
「さて、これからだが」
「中央政府は守る」
「そうしよう、では作戦は頼む」
「お任せ下さい」
 そちらのことにも頷くのだった。
「是非共です」
「作戦を成功させてくれるな」
「そうさせて頂きます」
「ではな、損害も最低限に抑えるな」
「そうさせてもらいます」
「損害は出してはならない」
 どの様な作戦でもだ、連合は民主主義国家であるので損害が多いとそれが政権の批判に直結するからだ。
「だからな」
「このことは絶対ですね」
「まさにな」
「最低限ですね」
「損害はそれで頼む」
「勝ちそして損害は最低限に」
「どの戦争でもそれは求められるが」
 だが、とだ。キロモは八条に話した。
「民主主義国家では特にだ」
「政権批判になるからですね」
「それが求められる」
 まさにというのだ。
「そもそも軍人が死ぬなぞな」
「戦争においては当然でも」
「最低限でいい、ベストはだ」
「一人も死なずにですね」
「そして戦わずに済めばいい」
 キロモトは彼の本心を話した。
「それでな」
「戦わずして勝つですね」
「それだ」
 まさにとだ、八条に一言で答えた。
「だからだ、今回は海賊やテロリスト達に一斉に奇襲を仕掛けるな」
「彼等が気付かないうちに」
「そうだな、だが奇襲でもな」
「その一撃で倒さない限りはです」
 まさにとだ、八条も答えた。
「反撃を受ければ」
「そうなるな、もっと海賊はまだ降伏するが」
「実際に事前に降伏勧告をして降伏した海賊達も多いです」
「彼等には寛大な条件で投降してもらったな」
「後々正規軍に組み込むことも検討しています」
 彼等についてはというのだ、連合軍は海賊も正規軍に組み込むことが多い。創設当時からそうしてきた。
「ですがテロリストやカルト教団は」
「そうもいかないな」
「投降する様ならです」
「最初から外縁部に逃げていないな」
「はい」
 この現実をだ、八条は述べた。
「そのうえでのことですから」
「海賊はまだどうにかなるが」
「テロリストやカルト教団はどうにもなりません」
「だから奇襲を仕掛けてだな」
「掃討します」
 そして投降しなかった海賊達にもだ。
「奇襲により」
「彼等から見えない様に近付いて」
「既に接近しています」
 つまり軍は進撃中だ、そうなっているのだ。
「ですから」
「それでだな」
「攻撃に移る用意は出来ています」
「では損害は出来るだけな」
「最低限に抑えてもらう様実働部隊には伝えていますので」
「賽は投げられた、賽のいい目を見よう」
「それでは」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 八条は国防の責任者としてそのうえで状況を見守っていた、何かあれば即座に動く用意はしていた。そのうえでのことだった。 
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