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ペンダントを巡って

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第二章

「何とキリストも死んでないしな」
「ああ、別の名前で出てるな」
「アラビア語読みでな」
 コーランではイーサーとなっている、イエスをアラビア語読みしたものだ。
「生きてるで」
「ゴルゴダの丘で死んでないな」
「そやからコーランは読んでて面白いで」
「痛快なお話ばっかりって聞いてるけどな」
「その通りや、そややら私も今はな」
「お酒飲むか」
「こうしてな」
 こう言ってだ、アユはその酒も心ゆくまで楽しんだ、そして次の日グレイカスと共にジャカルタの市役所を訪れてだった。
 身分を明かして市長にこれといった話がないかと聞くと熊人の市長は二人に深刻な顔でこう言った。
「実はです」
「何かあるんやな」
「はい、警察の公安課の人が瀕死の重傷で戻ってきました」
 アユ達に市長室でこの話をした。
「何とか」
「何かあったんやな」
「実はテロ組織がジャカルタ近郊にアジトを持っていて」
「ああ、巨人軍やな」 
 すぐにだ、アユはこの組織の名前を出した。
「最近何かと連合の領域内で暴れてる」
「無政府主義の連中です」
「巨人みたいに好き勝手にやれって主張してな」
「政府も文明も何もかもを否定し」
 そしてというのだ。
「暴れ回っている連中ですが」
「あいつ等がやな」
「はい」
 市長はアユの問いに頷いて返した。
「どうやらです」
「それで公安の人がやな」
「彼等の存在を突き止めてです」
 そうしてというのだ。
「その情報をペンダントに隠してこちらに戻ろうとしましたが」
「それがかいな」
「帰り道で山賊の一団に襲われて」
「山賊は成敗してるけどな」
 治安の為にだ、そもそも彼等が出ない様に悪事を働かずとも生活が出来る様に政をしていきそして山賊は徹底的に征伐してもとだ、アユは言った。
「それでもな」
「悪人は完全にいなくならない」
「それでやな」
「まだいまして」
 それでというのだ。
「運悪く彼等と遭遇し」
「一人やったからやな」
「何とかここまで逃げられましたが」
 それでもというのだ。
「満身創痍でペンダントもです」
「山賊に奪われたんやな」
「そうなりました」
「ほなな」 
 そこまで聞いてだ、アユは述べた。
「すぐにな」
「山賊のアジトに行ってですか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「ペンダントもな」
「奪い返し」
「そしてや」
「巨人軍もですね」
「倒すわ、山賊も問題やが」
 それだけでなく、というのだ。
「テロリストはもっと問題や」
「それでは」
「私等が行って来るわ」
 こう言ってだった、アユはまずはグレイカスと共にだった。その公安の者のところに行った。その者は警察病院に入院していた。
 面会は出来た、回復の術で傷は癒えていた。だがそれでもまだ傷を全快させる為に大事を取って入院しているのだ。
 名前はバイバルス=ファリドゥーンといった、犀人の男だ。彼は二人が身分を明かして見舞いに来るとまずは礼を言った。
 そしてだった、アユ達から山賊やテロリストのことを聞くと滔々と話してくれた。 
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