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八条学園騒動記

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第五百十話 マルタ騎士団その一

               マルタ騎士団
 ナンシーはマルタ人である、だがこのマルタという国について洪童はナンシー自身にこんなことを言った。
「昔マルタ騎士団があったな」
「今もあるわよ」
 すぐにだ、ナンシーは洪童に答えた。
「医師団よ」
「もう武器を以て戦わないか」
「それは十字軍の時代でね」
「過去の話か」
「そう、あとマルタ騎士団エウロパにもあるから」
「連合のマルタ騎士団か」
「そこわかっておいてね」
 洪童にこのことも話した。
「しっかりとね」
「重要事項か」
「そう、あっちはあっちで」
「こっちはこっちか」
「ちなみに私の親戚でも騎士団の人いるから」
「お医者さんか」
「そうなのよ」
 このことも話すのだった。
「実はね」
「そうだったんだな」
「そう、お医者さんになる時騎士にもなるから」
「じゃあその人はお医者さんでか」
「騎士でもあるのよ」
「連合にも騎士がいたか」
 洪童はそのことを知って目を丸くさせた。
「それはまたな」
「意外でしょ」
「かなりな」
「それでもいるのよ」
 そのマルタ騎士団にというのだ。
「これがね」
「成程な」
「そしてね」
 ナンシーはさらに話した。
「騎士団長さんがね」
「その医師団の団長さんか」
「そうでもあるのよ」
「何かと面白い話だな」
「そうでしょ、けれどそれは今のお話で」
「昔はか」
「本当に騎士団で」
 文字通りのそれでというのだ。
「十字軍にも参加していたのよ」
「十字軍、あの悪名高きか」
「そう、あの連中にね」
「何かそう言うとな」
「悪い人達ね」
「あの連中はそうだろ」
 十字軍は連合では野蛮で残虐な侵略者となっている、文字通りに血と欲望に餓えた野獣の集団だと言われている。
「本当にな」
「まあそうね」
「俺の祖国は直接関係ないがな」
「韓国はそうよね」
「全く無縁だった」
「当時キリスト教も入ってなかった?」
「高麗の頃だな」
 韓国の歴史で言うとその時代である。
「大体そうだな」
「そうね、おおよそね」
 その通りだとだ、ナンシーも答えた。
「その頃ね」
「やっぱりそうだな」
「やっぱりってあんたの国のことじゃない」
「ナンシーに言われて確信した」
 大体その頃だと思っていたことがというのだ。
「そうなった」
「そうなのね」
「それでだが」
 洪童はナンシーにさらに話した。 
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