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星河の覇皇

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第七十部第三章 作戦発動その二十七

「その政府はです」
「秩序を維持出来る」
「それだけの力が必要ですね」
「その国の法律や社会を守るだけの力が持っている」
「それだけの力が」
「必要です」
 それは絶対にというのだ。
「さもないとです」
「外縁部のそうした国家の様になりますね」
「マフィアが政府になっている様な」
「若しくは全くの無政府状態」
「どちらにしてもいい状況ではないですね」
「はい、ですから」 
 だからだというのだ。
「政府にはそれだけの力はどうしても必要です」
「野生に戻っていいものではないですね」
「ルソーではなくホッブスですね」
「そちらいなりますね」
「小国寡民であってもです」
 老子の言葉もだ、八条は出した。
「やはりその秩序を守るだけのものが必要です」
「そうした国であってもですね」
「秩序は必要ですね」
「どうしても」
「これは老子の言葉ですね」
 八条自身小国寡民という言葉が老子にあると認めた、老子はこの時代でも思想が受け継がれているのだ。
「老荘思想は無為の思想ですが」
「最低限の秩序は必要ですね」
「無為、平和であるそれである為にも」
「どうしても秩序は必要ですね」
「市民を守る為に」
「それがなければです」 
 どうしてもというのだ。
「まさに外縁部のそうしたコミュニティになってしまいます」
「秩序こそがあるべきで」
「混沌はあってはならないですね」
「無秩序という完全な自由は」
「それは忌むべきものですね」
「太初は混沌でした」
 多くの神話のはじまりがそうである、混沌から何かが生じそこから秩序が生まれていった。若しくは子安全な無からだ。
「しかし神々はそこから秩序を創り」
「そしてですね」
「神々が我々人間を創られた」
「それが人の世なので」
「どうしても秩序は必要ですね」
「文明でありたいのならば」
 自然でなければというのだ。
「秩序は絶対です」
「それが政府であり社会であり」
「法律ですね」
「そうしたものを外縁部にももたらし」
「平和にもしていくのですね」
「これまで通り、ただ」
 八条はさらに言った。
「それでも無政府主義は消えないですね」
「完全な自由の結末はわかっているのに」
「それでもですね」
「無政府主義は今もありますね」
「むしろ復活していますね」
 十九世紀にロシアで生まれ二十世紀中頃には消えていた、だがそれがこの時代になるとであったのだ。
「銀河の時代になり」
「連合が建国されてですね」
「その頃から復活してですね」
「千年の間存在していますね」
「無政府主義が」
「連合は曲がりなりにも統一国家です」
 その中に三百以上の国々が存在しその国々が常にいがみ合っていてもだ。そうした国家であることは事実だ。 
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