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星河の覇皇

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第七十部第三章 作戦発動その二十六

「そうした社会ではなくです」
「秩序ですね」
「それがある社会ですね」
「秩序、法律と社会が存在する国家」
「その下に自由がある国家ですね」
「それがです」
 まさにというのだ。
「結果として多くの市民を守ります」
「その生活と幸せを」
「全て守りますね」
「若しそうしたものがなければですね」
「連合も今の様にはなっていませんね」
「そうです、そうした国家ばかりの四分五裂した状況になっていて」
 そしてというのだ。
「戦乱も起こっていたでしょう」
「千年の平和と発展もなかったですね」
「今の様に」
「そうしたものもなく」
「荒廃していましたね」
「そうならない筈がなかったです」 
 連合に法律や社会、そしてそうしたものを守る政府がなければというのだ。この政府の中には警察も含まれる。
「これはどの国も同じです」
「エウロパもマウリアも」
「サハラもですね」
「連合はおおむね小さな政府論ですが」 
 政府は国家として最低限のことさえ出来れば充分という考えだ、夜警国家という言葉もこの考えから生まれている。
「その小さな政府もです」
「最低限の力がないと、ですね」
「法律や社会を守ることが出来ない」
「そうなりますね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「だからこそです」
「政府は必要ですね」
「市民を守る為にも」
「それが現実ですね」
「そう思います、市民の安全がなければ」
 それが保たれないのならどうなるかもだ、八条は話した。
「経済や文化の活動も出来ません」
「そしてそうしたものも栄えない」
「そうなってですね」
「繁栄もない」
「そうですね」
「日本の戦国時代は各大名ごとの秩序がありました」
 戦国大名達の領地単位でだ。
「それでまだそうした活動が可能でしたが」
「中国の東周時代や五代十国時代もですね」
「それだけの最低限の秩序はありましたね」
「だからまだ何とかなりましたが」
「しかしですね」
「そうした秩序までなくなると」
「はい、やはりそうした個別の国家単位よりもです」
 八条は連合というこの国を念頭に置いて話を続けた。
「連合の様なです」
「国家連合ですね」
「その単位ならばですね」
「この様に栄える」
「そうですね」
「はい、今の様にです」
 まさにというのだ。
「栄えますので」
「だからこそ」
「最低限の秩序といってもですね」
「この中央政府位のものは必要ですね」
「どうしても」
「私はそう考えます」
 こう言うのだった。
「私個人の考えですが」
「長官の」
「ご自身の」
「はい、政府は小さい政府でもいいですが」
 しかしというのだ。 
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