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レーヴァティン

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第九十六話 都市国家達その七

「元だけどね」
「あいつかよ」
「そう、あの人工作員にお金を渡していたから」
 貰っていただけでも問題だがだ。
「本物だってね」
「思えるよな」
「うん、あの人はね」
 まさにというのだ。
「その実はね」
「あいつの前の総理大臣もだよな」
「お金渡してたからね」
「あそこの工作員にな」
「しかも日本人を拉致していた」
「総理大臣がスパイか」
「そうしたケースもあるし」
 国政のトップが他国の工作員しかもそれが危険極まるテロを行った者に対してこう言ったのだった。
「だからね」
「ここにもか」
「流石に僕達は違うけれど」
「いや、今の話だとな」
 久志は笑って剛に答えた。
「俺達もな」
「なってるとかだね」
「それも気付かないうちにな」
「あの総理は確信犯かも知れないけれどね」
 自分の選択で他国の工作員になったというのだ。
「それでも気付かないうちに」
「洗脳されてたりとかな」
「それで情報を流したり」
「スキャンダルをでっちあげる相談をしたりな」
「あるかな」
「そう思えてきたぜ」
 どうにもと言う久志だった。
「今の話だったらな」
「そうなるね、じゃあ洗脳とかにもね」
「注意していくか」
「そうだよな、まあとにかく壁に耳あり障子に目ありか」
「そうなるね」
「だよな、そのうえで謀略にも注意して」
「やっていこうな」
「是非ね」
 こうしたことも話してだ、久志達はサンマリノ等にも使者を送った。
 するとサンマリノも降りピサやリボルノといった街もだった。だが。
「ボローニャがか」
「あの街は降らないと言ってきた」
 正が答えた。
「そしてどうしてもというならな」
「攻めて来いか」
「そう言ってきている」
「そうか、じゃあな」
「この時が来た、だな」
「ああ、正直言って戦いたくないけれどな」
 それでもとだ、久志は正に答えた。
「もうな」
「相手がそう言うならだな」
「ああ、戦うしかないな」
「ではだな」
「軍隊出すな」
「指揮官は誰だ」
「俺が行く、今軍勢は十万いるよな」
「そうだ、俺達の勢力はな」
「じゃあそのうち五万を連れてな」
 そうしてとだ、久志は正に答えた。
「御前等のうち六人連れてな」
「後の六人は留守番か」
「五万の兵でそうしてもらうな」
「ではな」
「すぐに出陣してな」
 そしてと言うのだった。
「攻め落としてくるな」
「そうしてくるな」
「すぐにな、ただな」
 ここでだ、久志は正にこうも言った。
「攻め落としてもな」
「街は壊さない」
 清音がこう応えた。 
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