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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその四十一

「その彼等にはな」
「連合のことを話して」
「そして、ですね」
「そのうえで、ですね」
「連合に組み入れていきますね」
「これまで通り」
「そうしていこう」
 また言うのだった、バールは。
「彼等はな」
「はい、市民ですから」
「連合市民です」
「二世三世もです」
「当然として連合の市民権が与えられます」
「無理強いはしませんが」
「自然とそうなっていますね」
「連合がどうしても嫌ならだ」
 非常に、十万や二十万に一人という割合でこう主張してあくまで連合に入ろうとしない者もいることはいるのだ。
「その場合はな」
「仕方なく、ですね」
「世捨て人として暮らしてもらいますが」
「連合のさらなる外で」
「処罰も出来ませんし」
「その場合は仕方がない」
 どうしても連合に入りたくない者はだ、この辺りそうした者の人権への配慮が必要なので危害は加えられないのだ。
「あくまでな」
「出てもらうしかないですね」
「連合から」
「ですから結局同じですが」
「不法出国者の問題は終わりにくいですね」
「これまではそうだった、だが」
 これからはとだ、バールは話すのだ。
「マウリアと協定を結んでだ」
「そうした市民は、ですね」
「マウリアで引き取ってもらい」
「マウリアの外でそうしたコミュニティを築いてもらう」
「そうなりますね」
「そうなった、連合がどうしても嫌ならな」
 その場合はというのだ。
「マウリアが用意した新天地でとなるが」
「マウリアはですね」
「あの国の新天地となると」
「相当なものです」
「あちらの開拓地は」
「連合の外縁部なぞ比較にならない」
 それこそとだ、バールは言った。
「ブラックホークやアステロイド、超惑星等が密集しているという」
「しかもですね」
「恐ろしい状況の星ばかりで」
「開拓なぞですね」
「とても出来るものではないですね」
「マウリア政府が直々に乗り出さないとな」
 それこそというのだ。
「無理な場所だ」
「あちらはですね」
「しかもやがてマウリア政府の下で自治政府となりますし」
「完全な自由とはなりませんね」
「彼等の国には」
「自分達の国はもてる」
 マウリア、無論連合でもである。
「しかしだ」
「どちらの下にもない、ですね」
「そうした国家は無理ですね」
「そして完全な自由な存在も」
「そうはなれませんね」
「アナーキズムか」
 完全な自由と聞いてだ、バールはすぐにこの言葉を出した。
「無政府主義だな」
「アナーキストも外縁部にはいますが」
「それが為に連合に出た者もいますし」
「そうした主義主張の市民もですね」
「どう組み入れていくかですね」
「完全な自由はだ」
 どうしてもとだ、バールは現実を話した。 
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