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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその十七

 連合軍は外縁部に犯罪組織、あらゆる組織への工作を続けていた。そしてその工作を受けて実際にだった。
 彼等は内部分裂や粛清が中に頻発し組織同士での抗争が激化していた。それはゴリアートという海賊達も同じだった。
 彼等は何かとだ、内部で衝突を繰り返す事態になっていた。
 戦いに向かう中でだ、海賊達は彼等の粗末な船の中で話をしていた。
「まただな」
「ああ、また裏切りだな」
 下っ端の者達は苦い顔で持ち場につきつつ話をしていた。
「ゴリアートの中で」
「この前もあってな」
「まただな」
「ボスに殺されるとか言ってな」
「副ヘッドの二人が叛乱か」
「自分の手下を連れてな」
「それで俺達もな」
 彼等もというのだ。
「またこうして戦いに出てるな」
「何度も何度も戦いが続いて」
「疲れるな」
「全くだよ」
「しかもな」
 彼等が疲れるだけでなく、というのだ。
「中で殺し合いばかりでな」
「俺達弱くなったな」
「ついこの前までこの辺りで一番大きな海賊団だったのにな」
「今じゃその時の半分以下だ」
 そこまで弱まったというのだ。
「中で殺し殺されで」
「俺達本当に弱くなったな」
「これじゃあ毒蛇に負けるな」
 彼等と敵対している海賊団である、彼等に負けず劣らず凶悪な組織であり彼等との縄張り争いも行っている。
「奴等との戦いになったらな」
「今連中とそうなるとか」
「負けないか?俺達」
「そうかもな」
 下っ端の者達は苦い顔で話していく。
「こんな状況じゃな」
「もう俺達ガタガタだしな」
「それじゃあな」
「今毒蛇には攻めてきて欲しくないな」
「ああ、毒蛇な」
 この海賊団についてだ、彼等の中の一人が言って来た。
「何か知恵袋の片腕のジミーがな」
「ああ、参謀のか」
「あいつがどうなったんだ?」
「向こうの頭に殺されたらしいぜ」
 そうなったという話をするのだった。
「頭の座を狙ってるって疑われてな」
「片腕のジミーがか?」
「ジミーは頭の義兄弟なのにか?」
「それこそ数十年来の付き合いだろ」
「そのジミーをか」
「それがどうもな」
 実際にというのだ。
「頭が自分から撃ち殺したらしいぜ」
「おいおい、義兄弟殺しか」
「また随分荒っぽいことしたな」
「俺達の世界じゃよくあることにしても」
「乱暴なことしたな」
「俺もそう思うけれどとにかくな」
「片腕のジミーが殺されたか」
「あっちの知恵袋がいなくなったんだな」
「そうなんだな」
「みたいだな、他の組織も色々とな」
 それこそというのだ。
「内輪揉めとか続いてるみたいだな」
「俺達だけじゃないのか」
「あちこちの海賊連中がそうなのか」
「俺達とか毒蛇みたいなことになってる」
「そうなのか」
「そうみたいだな、俺達の世界は裏切り上等にしても」
 それが海賊の世界なのだ、つまり力こそが正義なのだ。 
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