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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその十六

「そしてです」
「犯罪組織の中からですね」
「そうした者達を組み入れていく」
「情報提供をしてもらい」
「そのうえで」
「はい、そしてです」
 それに加えてというのだ。
「犯罪組織へ通常の謀略も加えていきましょう」
「内部分裂の誘発と組織同士の抗争の扇動」
「粛清等も煽りますね」
「情報を流して」
「彼等の姿は全て見えています」
 その内側までだ、連合の優れた技術力を使った諜報能力は彼等の本拠地に盗聴や監視のシステムを持った小型機械を奥深くまでゴミの様に細かく入らせてそして諜報活動を行なうことによって彼等のことを全て知る様にしているのだ、彼等が気付かないうちに。
「だからですね」
「それではですね」
「次次に流言を流してもいき」
「仕掛けていきますか」
「徹底的に仕掛けましょう」
 その謀略をというのだ。
「そしてあらゆる組織を極限まで弱めていくのです」
「我等が勝てる様に」
「それも出来るだけ犠牲を出さずに」
「あらゆる組織にですね」
「謀略を仕掛けていきますね」
「機械から流言を流すのです」
 ごく自然にというのだ、それぞれの組織の奥まで入り込んでいる。
「これは工作員よりも効果があります」
「工作員は正体がばれる恐れがありますから」
「特にそうした組織にばれれば殺されます」
「外交交渉も出来ないですから」
「貴重な工作員を失いかねませんね」
「彼等にはそうしたものを使う方がいいです」
 無人の小型機械をというのだ。
「捕まれば残虐な報復が待っていますし」
「海賊やテロリストですから」
「その時はそうなりますね」
「火を見るより明らかです」
「だからですね」
「長官もですね」
「そこは気をつけてですね」
「そう考えています」
 まさにというのだ。
「犠牲は少ないに限りますので」
「工作員にしても」
「それは同じですね」
「彼等にはそうした工作を続けていきましょう」
 流言飛語をというのだ。
「これからも」
「思えばいい装置です」 
 一人がこう言った。
「小型で多くの機能を持っていますので」
「こうした工作には最適ですね」
「ゴミと見分けがつきます」
「外見をカモフラージュすれば」
「ゴミ箱に捨てられるかも知れませんが」
「それはそれで、ですね」
「工作に使えますので」
 ゴミ箱の中から流言を相手の耳に気付かれない様に入れるのだ、中にはサブリミナル機能を搭載した種類もある。目の前に相手が気付かないうちに見せるのだ。
「よしです」
「全くです、あの装置は大きいです」
「エウロパ軍には通用しそうになかったので使いませんでしたが」
「外縁部のならず者達にはです」
 技術、組織力においてエウロパより遥かに劣る彼等はというのだ。
「あれで、です」
「充分ですね」
「通用します」
「だからこそ使っていますが」
「非常に効果をあげています」
 実際にとだ、八条も言う。
「有り難いことに」
「ではこのまま工作を続け」
「あらゆる組織を弱体化させていきましょう」
「このまま作戦の予定開始時刻まで」
「彼等を弱めていきましょう」
 こう話してだ、実際にだった。 
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