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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百十三話 明るい宗教その九

「このことはもう有名でしょ」
「ベトナムが暗い国とか」
 そう言われるとだ。
「僕もね」
「違うって思うでしょ」
「タイやインドネシアと同じ位ね」
「大体東南アジアの国って明るいでしょ」
「それもかなりね」
 少なくとも僕はこう思っている。
「国民性も音楽もね」
「明るいでしょ」
「相当にね」
「その明るいベトナムを知ってもらってるし」
「観光はいいことだよね」
「ただアオザイだけ注目する人いるから」
 ダオさんはこのことにはこう言った。
「それはちょっとね」
「ベトナムの民族衣装だからね」
「有名だしダオも好きでよく着るけれど」
「それでもなんだね」
「そればかり見るのはね」
 このことはというのだ。
「他のも見てって言いたいわ」
「ベトナムのだよね」
「ええ、アオザイは確かにいいけれど」
 それでもというのだ。
「ベトナムはアオザイだけと思わないことよ」
「その他にもだよね」
「いいものが一杯あるから」
「観光に行っても」
「是非見て欲しいわ」
 ベトナムのそうしたところをというのだ。
「それでお料理もね」
「インサイをかなり使った」
「そう、インサイってね」
 ダオさんはそのインサイの話をまたした。
「身体にもいいからな」
「香草だしね」
「どんどん食べてもいいのよ」
「だからベトナムの人達も沢山食べてるんだね」
「勿論タイの方でもね」
「そうだね、ただね」
 僕はラブポーンさんの祖国のこの国について思い出したことがあった、それでダオさんに話をした。
「ベトナムとタイはお隣じゃないね」
「間にラオスとカンボジアがあってね」
「そうだよね」
「お隣じゃないのよ」
「そこは違うんだよね」
 勿論ラオスとカンボジアから来ている子達もこの学園にいる。
「間に二国あるから」
「そう、お隣同士の国って仲悪いこと多いでしょ」
「多いね」
 海を挟んでいるけれどイギリスとフランスが代表だろうか、尚フランスはイギリス以外にもオーストリアとも長年ライバル関係にあった。
「けれどだね」
「間に二国あるから」
 そのラオスとカンボジアがだ。
「我が国とタイはまだましよ」
「ライバル関係にあるとは聞くけれどね」
「それは否定出来ないけれど」
 ダオさんにしてもだ。
「けれどね」
「仲悪いとまではいかないんだね」
「表に出る位はね」
「ライバル関係ではあっても」
「そんな顔見合わせたら悪口言い合うとかね」
「そういう間柄ではないんだね」
「ええ、実際ダオもラブポーンも他のタイの子達嫌いじゃないし」 
 ダオさん自身もというのだ。
「タイ料理も好きよ。あちらの王様は絶対にリスペクトするし」
「あっ、タイはね」
 タイの王様と聞いて僕も言った。
「王様、王室が凄い敬愛されているからね」
「若し何か悪いこと言ったら」
「タイの人達も本気で怒るよ」
 温厚で知られる人達だけれどだ。
「それは絶対にしたら駄目だよ」
「どの国に対してもそうだしね」
「日本人でも怒るから」
 何年か前何処かの国の大統領が陛下を徹底的に侮辱した、それも公の場でだ。これには多くの日本人が怒ったし僕も怒った。
 親父もこんなこと言う奴ははじめて見たと怒っていたし総帥さんもあの国からのグループ全体の引き揚げを本気で検討した位だ。 
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