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ネバーランドの住人達

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第三章

「これはどういうことか」
「私もわからないわ」
「ティンもなんだね」
「どうしてかね」
「こうなったら」
 それならとです、ここででした。
 ピーターパンは深く考えてそうしてでした、ティンに言いました。
「フック船長自身に聞こうか」
「実際に貴方が何度もやっつけてる当人に」
「うん、彼自身が何度も生き返ってるからね」
「どうしてそうなのかわかるかもっていうのね」
「他ならぬ当人だからね」
「それじゃあ」
「フック船長は海賊だけれどマナーは守るよ」
 そうしたことはしっかりしているというのです。
「気品もあるしね」
「そういえば寄宿学校で真面目に教育を受けていたって言ってるわね」
「仮にも船長さんだしね」
「海賊でもね」
「彼はあれでマナーを弁えていてね」
 そしてというのです。
「紳士な一面もあるから」
「貴方がちゃんと言えばね」
「話してくれるね、じゃあね」
「これからあの人のところに行くのね」
「そうするよ」
 こう言ってでした、ピーターパンは白旗を掲げてそのうえで船長がいる海賊船のところに向かいました、お空を飛んで海賊船を探すとネバーランドの島の南東の方に錨を下ろしていました。勿論船の傍には時計鰐もいます。 
 その時計鰐に挨拶もしてでした、ピーターパンは白旗を掲げて船の船首のところに立って甲板で作業をしている海賊達に言いました。
「船長はいるかな、今日は勝負をしに来たんじゃないよ」
「白旗、話し合いか」
「それをしに来たのか」
「そうだ、今日は船長とお話がしたいんだ」
 海賊達にもこのことをお話します。
「だからちょっと船長を呼んできてくれるかな」
「それじゃあ」
 海賊達も応えてでした、そのうえで。
 彼等は船の中の船長室で今は読書に励んでいたフック船長を呼びました、すると船長はすぐにでした。
 ピーターパンのところに来てこう言いました。
「話し合いに来たならだ」
「それならだね」
「話をしよう、勝負には勝負で応じるが」
「話し合いにはだね」
「話し合いで応じる」
「それがルールだね」
「私はこれでも健全かつ厳格な教育を受け船長もしている」
 船長はこのことを胸を張って言いました。
「それならだ」
「これからだね」
「そうだ、貴様と話をしよう」
「白旗を守ってくれるんだね」
「そのうえでだ、紅茶とティ―セットを出す」
「ああ、丁度三時だしね」
「普段は敵味方だが今は茶を飲む仲間としてな」
 そのうえでというのです。
「話をしよう」
「それではね」
 ピーターパンも笑顔で応えました、そしてでした。 
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