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星河の覇皇

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第七十部第二章 同士討ちその八

「それもです」
「当時の彼等の状況がそうさせていましたね」
「エウロパは保有している居住可能な惑星、衛星が少ないです」
 このことはエウロパの惑星開発技術の未熟さも影響している、エウロパはスペースコロニーの技術は発達したがそちらの技術は発達しなかったのだ。
「それが居住地域、農耕地や工業地帯の面積の限界をもたらしていましたし」
「だからですね」
「人口問題が大きく」
「それでサハラに進出しましたね」
「彼等が生きる為に」
「そうです、だからこそ侵攻を行ったのです」
 エウロパにしてもというのだ。
「そうしましたので」
「だからですね」
「戦争は余裕があれば起きない」
「そうそうなことではですね」
「起こるものではないですね」
「命を賭けないと生きられないからです」
 そこまで切羽詰っているからだというのだ。
「だからです」
「戦争が起こる」
「人類の歴史でもそうですし」
「だからですね」
「宇宙の時代ではですね」
「エウロパの様な状況でなければ」
 そうした状況でもなければ、そして八条が言葉の中にそれは宇宙に進出出来る程の文明であればそうはないケースだという言葉も入れた。
「起こらないかと」
「そうなりますね」
「ではですね」
「宇宙では戦いはですか」
「実は少ないですか」
「そう思います、もっともサハラの様なケースもありますが」 
 預言にある統一を目指したそれが千年の間続いていたがだ。
「サハラも結局はです」
「貧しいですね」
「あちらは貧しい国ばかりでした」
「宇宙の時代でしたが」
「そして統一しなければ」
「そうです、実はサハラは統一してこそです」
 まさにだというのだ、この国は。
「真価を発揮する国家です」
「一国一国ではですね」
「貧しいままですね」
「そうした国家ですね」
「まさに」
「そうです、ハサンは一国だけで充分やっていけましたが」
 連合とつながりが深かったサハラで最も豊かだったこの国はというのだ。
「大抵の国はです」
「餓えはないまでもですね」
「豊かではなかったですね」
「だからこそですね」
「サハラはお互い戦い続けていましたね」
「千年の間」
「はい、そうでした」
 八条は戦争についてこう語った。
「何しろあの地域は砂と岩の星ばかりです」
「そうした星が殆どで」
「資源は眠っていても採掘する技術も未熟」
「そうした状況だったので」
「貧しいですね」
「だからこそ戦いが続いていました」
 ムハンマド以前の預言もあったがそれと共に八条が言う理由もあったのだ、だからこそサハラでは戦乱が続いていたのだ。
「あの国も」
「やはり豊かであるべきですね」
「それがそのまま戦いをなくしますね」
「生物も文明も」
「豊かであるべきですね」
「そう思います、相手の文明の状況にもよりますが」
 また他の知的生命体の話にもなった。 
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