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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その四十一

「俺のいた国じゃな」
「それこそですか」
「訓練をして勝って」
「それで略奪とかもですか」
「敵の国でやったりとかな」
「あったんですね」
「あまりなかったにしてもな」 
 それでもというのだ。
「傭兵とかに支払う金がないとな」
「やってたんですね」
「連合にも傭兵いたよな」
「はい、貿易船とかが雇って」
 民間の警備会社のサービスだ、連合の傭兵はそうした企業が行うものだったのだ。装備はそれなりだった。
「それで、でした」
「あったよな、やっぱり」
「ですが前払いで」
「そんなことはか」
「なかったです」
 略奪等をすることはというのだ。
「それ犯罪ですから」
「だからか」
「そりゃ海賊とかを征伐した報酬はありますし」
 中央政府も各国政府も賞金首を出したりしていた。
「連中の財宝とかも一割貰えたりしました」
「元の所有者に返してだな」
「それでも一割は成敗した傭兵さん達のものになりましたがね」
「略奪とかはな」
「契約でして」
 その契約になかったというのだ、連合では。
「前払いが原則ですから」
「払えないからってことはないか」
「警備会社がそんなことしたら」
 一般市民から略奪を行えばというのだ。
「その会社犯罪に問われますよ」
「それが連合か」
「というかサハラは荒っぽいですね」
「戦争ばかりしてたからな」
 曹長は親父が出したワインを一気に飲んでから言った、普通のワインより強くアルコール度は四十はあった。
「それこそな」
「荒っぽいこともですか」
「一杯あるさ」
「傭兵を雇って」
「その傭兵に略奪させたりな」
「本当にあったんですね」
「サハラ、俺の国でもな」
 サハラの中のというのだ。
「あったさ」
「この辺境より物騒ですか」
「ずっとだな」 
 実際にというのだ。
「こんなものじゃなかった」
「それはまた」
「連合は人のいる星系は絶対に守りがあるだろ」
 人工衛星を惑星や衛星単位でも星系単位でも設置してだ、そのうえでかつての城市の様に守りを固めているのだ。
「そうしてるよな」
「はい、ここでも」
「だから海賊来ても星は大丈夫だろ」
「人工衛星が相当減っていないと」
「連合軍もいるしな」
 正規軍である、確かに戦争は弱いが。
「だったら安心だ、まだな」
「けれどサハラはですか」
「ある星もあるがない星もある」
 人工衛星等の守りがだ。
「まして軍隊がそうするんだ」
「それならですね」
「もう無茶苦茶になる」
 人工衛星を強引に破壊したうえで惑星や衛星に降り立ちそのうえで略奪暴行の限りを行っていたというのだ。 
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