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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その三十九

「いい軍隊です」
「確かに正規軍は礼儀正しいな」
「はい、戦闘は確かに弱いですけれどね」
 そうしたことで頼りにならないがというのだ、正規軍は軍規軍律は徹底して教育されているのでしっかりしているのだ。
「災害の時はすぐにちゃんと動いてくれますから」
「だからか」
「あの軍隊もいいですよ」
「そうなんだな」
「はい、戦闘では頼りにならなくても」
「軍隊はそこが一番大事だと思うがな」
「そうなんですか」
 どうにもという返事だった、親父のそれは。
「戦闘は三番目位では」
「一番じゃないのか」
「はい、軍規軍律と災害救助」
「その二つが先に来るか?」
「この二つが同じだけ重要で」
 そしてというのだ。
「戦闘はその次では」
「連合じゃそうなのか」
「そう思いますが、兵隊さんはまずは規律でしょう」
「規律のない軍隊は駄目か」
「それこそ暴れられたら」
 連合では千年来そうした考えだ、各国軍においても正規軍ひいては八条がいた日本軍程ではないがそこは厳しい。
「どうにもなりませんから」
「サハラじゃ軍隊が暴れるとかな」
「よくある話ですか」
「しょっちゅうじゃないがな」
 流石にそうしたイタリア戦争や三十年戦争の傭兵達の様な軍隊は多くないというのだ。大戦中のソ連軍もそこは酷かった。
「しかしな」
「あるにはありますか」
「軍隊は強ければいいってな」
「そして勝てばですか」
「そうした考えだからな」
 戦乱の地ならではの考えである。
「だからな」
「強くてそうした軍隊もあったんですか」
「傭兵も多くてな」
 徴兵制度もあったがそうした兵の集め方もあったのだ。
「その連中への褒美でな」
「略奪とかもですか」
「あったしな」
「軍隊の略奪暴行は」
「連合の軍隊だとか」
「一番戒められてますからね」
 だからこそというのだ。
「まず第一です」
「そうなんだな」
「海賊とかテロリストは警察とも一緒に戦えますし」
 共同作戦だというのだ。
「後は災害救助ですからね」
「それへの対応とかか」
「復興も、そうしたことが主な仕事で」
「軍隊への考えが基本的に違うか」
「連合軍はか」
「はい、各国軍も含めて」
 そして正規軍もだ、今の。
「そうなんです」
「戦争がないとそうなるか」
「各国同士、各国と中央政府はしょっちゅう揉めますけれどね」
 連合ではよくあることだ、それこそ日常茶飯事で衝突する。連合はまずは中で揉める国家であるのだ。がだそれもなのだ。
「軍隊は出ないですからね」
「どの国もそれはないな」
「はい。武力衝突はです」
 それはというのだ。
「やったら物凄い制裁受けますからね」
「こっちの法律で決められてるな」
「だからどの国も武力を使ったことはないです」
 衝突の解決手段としてだ、もっとも連合では経済や貿易、観光等で武力を使う以上に効果のある攻撃が幾らでもあるから使う必要もない。
「それはです」
「ないか」
「はい、そして」
「それでか」
「戦争はないです」
「全くか」
「この千年、海賊とかの征伐はありましたが」
 それでもというのだ。 
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