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怨霊の謎

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第二章

「ああ、私のことはお話してないですね」
「はい、お名前は」
「御坂健吉、この教会の役員の一人で」
「そうなのですね」
「この大教会で住み込みでいます」
「そうですか」
「はい、宜しくお願いします」
 こう名乗るのだった。
「また」
「はい、それでは」
「それでなのですが」
 名乗りを終えてだ、彼はさらに話した。
「今現在市長さんがです」
「憑かれていてですね」
「日に日に弱っていっておられます」
「それはよくないですね」
 これが神託かと内心思いつつだ、遠藤は応えた。
「ではすぐにです」
「冒険者としてですか」
「はい、市長さんをです」
 是非にと言うのだった。
「お助けしましょう」
「そうしてくれますか」
「はい、ではこれから」
「市庁舎に行かれますか」
「そうしてます」
「ではその前に」
 遠藤の言葉を聞いてだ、天理教の人は述べた。
「こちらでギルドに依頼を出しておきますので」
「正式に冒険者としてですね」
「してくれれば」
「それで、ですね」
「何かと問題なくいきますので」
 冒険者には冒険者の決まりがある、それでギルドからの依頼を受けてのこととすれば何かとスムーズにいくというのだ。
「ですから」
「では」
「はい、これからギルドに行きましょう」
 天理教の人が言ってだった。
 二人は彼に案内されてだった、そうして高知市のギルドに行ってだった。
 高知市市役所とも話をしてだ、依頼が出され二人も即座に受けてだった。
 そしてだ、すぐに高知市の市役所に入ったがここで市役所に勤務している公務員の一人である狐人の女性が出て来た。
「坂本初といいます」
「坂本さんですか」
「はい、そう呼んで下さい」
 こう遠藤に答えた。
「是非」
「それではですね」
「はい、宜しくお願いします」
「わかりました、それでなのですが」
「市長ですが」
「市役所でもよしとされたということは」
「実際におかしいことになっています」
 そうだとだ、坂本は遠藤に答えた。
「ここ一週間程」
「何かに憑かれた様に」
「周りで何もなく音が出て」
 そうしてというのだ。
「ものが動いたり怪しい影が出たり」
「そうしてですか」
「はい、そのうえで」
 まさにというのだ。
「祟られている、憑かれていると思われて」
「それで、ですか」
「そうしてです」
 まさにというのだ。
「怯えて悩まされ」
「そうなってしまって」
「寝込まれる寸前です」
 そこまで追い詰められているというのだ。
「そこまでなっているので」
「だからですね」
「冒険者の方々に依頼をと考えていた」
「そこにですね」
「お二人が来られたのです」
「そういうことですか、では」
 それではとだ、遠藤は坂本に答えた。 
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