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八条学園騒動記

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第五百二話 撮影の後でその二

「どうにもね」
「やっぱり男の娘は」
「違うみたいだよ、性別は男の子でも」
「それでもなのね」
「心がね」
 最も大事なその部分がというのだ。
「違うみたいだよ」
「心が女の子なのね」
「そうみたいだよ」
「性別は男の子でもね」
「もう心がね」
 まさにそれがというのだ。
「女の子でね」
「性別だけ違って」
「完全にそうみたいだよ、だから下着までね」
 こちらもというのだ。
「女の子のものだったりするらしいよ」
「ジョルジュそこはではよね」
「喋り方もそうだったし」
 男のもののままだった、実際に。
「それでね」
「下着もよね」
「そのままだったし」
 男のもののままだったのだ、こちらも。
「だからね」
「男の娘になっても」
「完全にはね」
 そこまではというのだ。
「なっていなかったよ」
「そうだったのね」
「うん、どうも僕はね」
「男の娘にはなれないのね」
「心は本当にね」
 最も重要なそれがというのだ。
「男のままだからね」
「それでコスプレだけだったのね」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「いや、これ逆もあるよね」
「女の人で男の人の心で」
 ジュリアは逆と聞いてすぐに察して述べた。
「それでよね」
「うん、そうした人もいるよね」
「いるわよ」
 断言だった、ジュリアの今のそれは。
「宝塚って言うじゃない」
「そうした人は」
 この時代の用語の一つだ、宝塚はこの時代でも存在していて日本を代表する文化の一つとなっているのだ。
「いるんだね」
「宝塚って女役の人も出るけれど」
「男役の人が人気あるからね」
「伝統的にね」
「だからなんだね」
「そうした人を宝塚って言うけれど」 
 ジュリアはジョルジュにさらに話した。
「この言葉の通りにね」
「心が男の人の女の人もいるんだね」
「ええ、ファッションだけじゃなくてね」
「心もで」
「やっぱりいるわね」
「そうなんだね」
「男の娘もいればね」
 そうしてというのだ。
「宝塚の人もいるんだ」
「性別と心が違う」
「そうした人が。それでね」
「それで?」
「ジョルジュは男の娘じゃなかった」
「それは間違いないね」
「この外見でもなのね」
 またジョルジュのコスプレ画像を見た、見れば本当に背丈に気付かないとアニメキャラになった美少女にしか見えない。 
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