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レーヴァティン

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第九十一話 商人達の会合その七

「海の中に世界は覆われている」
「俺達は海を覆っている魔神を倒す」
「そして海から世界を取り出す」
「それが目的だからだな」
「大坂の者達もその話を知ってだ」
 そのうえでというのだ。
「より一層だ」
「支持する様になっているか」
「今でかなりのものだがさらに上がっている」
 その人気がというのだ。
「このままいくとな」
「本当にだな」
「間もなくだ」
 まさにというのだ。
「大坂の主に推挙されるぞ」
「そうなるな、ではな」
 それならとだ、英雄も応えた。
「俺は寄り合いの首座に推挙されれば」
「その時にだな」
「大坂の主になりな」
「この島の統一をだな」
「目指すことを言う、そのうえでな」
「城だな」
「大坂城を築く」
 この城をというのだ。
「そうする」
「やはり城は築くか」
「いざという時の護り、軍備を備える基地に収める場所としてな」
 この三つのことを考えてというのだ。
「築いておく、大坂城をな」
「そうするか」
「そしてだ」
「大坂城を拠点にしてか」
「島の統一をはじめる」
 その時点からというのだ。
「軍勢も集めてな、まずは堺だ」
「あの街を勢力圏に収めるか」
「そうする、あの街を手に入れると大きい」
 それは実にというのだ。
「西の島とも商いをしているしな」
「その商いの利益と情報も得てか」
「あの島にいい武具があれば買う」
 そうしたこともするというのだ。
「そしてだ、武具を兵達に渡してだ」
「戦ってもらうか」
「そのつもりだ、ではな」 
 あらためてだ、英雄は幸正に話した。
「あと少しでな」
「旗揚げだな」
「それを行う」
 こう幸正に話した、実際に英雄と彼の仲間達の名声は一刻ごとに高まっており寄り合いの中でも急激に地位を高めていっていた。
 そしてだ、遂にだった。
 寄り合いの中で大店の主達は彼に口々に言った。
「今日はお願いがあるのですが」
「宜しいでしょうか」
「何だ」
 英雄は彼等に確かな声で言葉を返した。
「それは」
「はい、今までこの寄り合いには主がいませんでした」
「その時に最も銭がある人が一番偉いとなっていましたが」
「近頃の貴方のお話を聞いていますと」
「それもとなりまして」
「貴方は今や大坂で一番銭もありますし」
 幸正と当季の頑張りが大きかった、当季はこれはという投資も行ってそれでかなりの利益を得ることもあったのだ。
「そのこともありまして」
「これからはです」
「貴方に我々の頭になって頂きたいのです」
「大坂の主になって治めて欲しいのです」
「そしてこの世界を」
「そう考えているのですが」
 こう英雄に言うのだった、彼の後ろには今の良太達がいる。
「宜しいでしょうか」
「この大坂をお任せしたいのですが」
「そして世界を」
「俺は大坂で終わるつもりはない」
 英雄は腕を組み正座した姿勢で答えた。 
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