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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その三十一

「ここはそうした国だからな」
「ですね、気をつけて」
「そうしてですね」
「楽しむ」
「そうしないと駄目ですね」
「そうしろ、それとヤクザ屋が絡んできたら逃げろ」
 揉めずにというのだ。
「いいな」
「はい、そうします」
「ヤクザからはそうします」
「やり返しても鬱陶しいだけですし」
「それも後々」
「何か言ってきたら弁護士出せ」 
 こうした触手の人達をというのだ。
「軍属のな」
「こうした時の弁護士さんですからね」
 連合軍にはこうしたサービスも存在しているのだ、軍人が法律的な危機に陥った時に助ける為に軍属の弁護士も契約して迎え入れているのである。
「いざって時は」
「弁護士さんにお願いします」
「ヤクザと揉めても」
「ヤクザは揉めてくるからな」
 あえてだ、向こうからというのだ。
「特に連合はヤクザが多いからな」
「ですよね、サハラよりも多いですね」
「ああした連中が」
「戦争やっている時よりもです」
「平和な方がヤクザ多いんですかね」
「そうみたいだな」
 曹長も平和とヤクザの因果関係については首を傾げさせて答えた。
「どうも」
「サハラヤクザ少なかったですから」
「いるにはいても」
「連合程多くなかったです」
「もっと少ないです」
「俺もそう思う」
 曹長にしてもだとだ、兵士達に答えた。
「どうもな」
「ここヤクザ多くて」
「そこが物騒ですよね」
「どうにも」
「妙なことに」
「平和だと余裕があるからか?」
 曹長は兵士達に自分の考えを述べた。
「あぶく銭を狙ってな」
「ヤクザが生まれる」
「裏の社会にですか」
「戦争やってたら余裕なんてないしな」
 それこそ余力を全てそちらに注ぎ込む、あればあるだけだ。
「俺の国も貧乏だったよ」
「俺の国もですね」
「俺が前いた国もです」
「俺の国もそうでした」
 兵士達も口々に言う。
「こんなに豊かじゃなかったですよ」
「連合みたいじゃなくて」
「何でもある国じゃなくて」
「何もない位ですよ」
 連合と比べると、というのだ。
 そしてだ、曹長はこうも言った。
「変な奴も戦争に行くしな」
「ヤクザになるみたいなですね」
「そういう奴もそっちに行くからですね」
「サハラじゃヤクザは少ない」
「そうだったんですか」
「全体主義国家もあったしな」
 サハラではそうした国家も実際多かった。
「独裁者がいてな」
「そうした変な奴は容赦なく強制収容所ですね」
「独裁国家だとそうしますからね」
「普通に」
「民主主義国家だとな」
 どうしてもというのだ。
「そうした権力の分散嫌うのも少ないだろ」
「全体主義国家と比べて」
「確かにそうですね」
「独裁者って自分が権力握りますからね」
「というか自分で独占しますね」
 だから裏社会も嫌い徹底的に弾圧するのだ、イタリアでマフィアがいなくなった時代が唯一あるがそれはムッソリーニの時代だった。 
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