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ドリトル先生と日本の鉄道

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第十一幕その五

「明治維新の頃は」
「そうだよ、東京から横浜に敷いてね」
「ほんの少しで」
「それがだよ」
 まさにというのです。
「今やね」
「鉄道大国ですね」
「イギリス以上と言っていいね」
「新幹線まである」
「そこまでなったんだよ」
「だから王子の国も」
「そう、知識と情熱を持って努力すれば」
 そうしていけばというのです。
「必ずね」
「日本みたいになれるよ」
「そうですよね」
「最初は何だってゼロだよ」
「ゼロからはじめてですね」
「進歩、進化していくから」
 だからだというのです。
「まずははじめることなんだ」
「そしてですから」
「そこからどんどんね」
「進歩、進化していくことですね」
「何でもまずははじめることだよ」
「はじめてこそですね」
「何かが出来るんだ、はじめないと」
 それこそというのです。
「本当にね」
「何も出来ないですね」
「はじめることには時として勇気がいるよ」
 先生はこのこともわかっていました。
「何も知らない分野に足を踏み入れることだからね」
「知らないということは怖いですからね」
「興味を持つと共にね」
「怖い、けれどですね」
「その恐怖に打ち勝つことは難しいよ」
「それで、ですね」
「その恐怖を自覚して」
 勇気とは恐怖を自覚することである、先生が来日して日本のある少年漫画石仮面が出て来る漫画を読んでよくわかった言葉です。
「そうしてね」
「勇気を克服して」
「そして打ち勝ってね」
 そのうえでというのです。
「はじめることがね」
「一番大事なんですね」
「そう、はじめることに一番力が必要だとも言われるしね」
「はじめることと終えることですね」
「創作はそうだよ」
「小説でも漫画でもですね」
「そう、はじめて終えることがね」
 この二つがというのです。
「一番大変だよ、けれどはじめないとね」
「何も出来ないですね」
「明治維新の日本人ははじめたんだ」
「鉄道を敷いて走らせることを」
「そこから今やね」
「鉄道大国ですね」
「そうなったからこそね」
 日本もそうだったからだというのです。
「王子もだよ」
「本格的にはじめることだね」
「そう、王子の国の隅から隅まで線路を敷いて」
 そしてというのです。
「列車を走らせる」
「そうすることですね」
「電車なら電力も必要だしね」
「そこも考えないと駄目だね」
 王子も言ってきました。
「実はアフリカは電気だけでなくね」
「ガスや水道もだね」
「他の地域に比べてね」 
 鉄道だけでなくというのです。
「そうしたこと、もうインフラ全般がね」
「遅れているんだね」
「だからね」
 王子は先生に言いました。 
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