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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その二十六

「そうしてもです」
「すぐには使えないか」
「軍事技術はどうかわからないですが」
 サハラの軍事技術は民間技術とは違い突出している、その突出の度合いは戦乱の国であるだけはあると言われている。
「しかし民間技術は」
「開き過ぎているからだな」
「はい、最新技術がです」
 最も守るべきそれはというのだ。
「ですから手に入れても仕方ないものです」
「そうなるな、では」
「ロートルの技術を狙ってくるでしょう」
 連合から見てだ。
「それこそ図書館に入ればすぐに調べられる」
「我々の数百年前の技術か」
「それを狙うでしょう」
「そうか、その技術ならな」
「連合としてはですね」
「数百年前の技術はだ」
 それこそ既にというのだ。
「公表しているしな」
「既にですね」
「それではだ」
「スパイに盗まれても」
「盗んだともな」
 連合からしてみればだ。
「思えないものだ」
「では」
「民間技術でもな」
「どうでもいいですね」
「最新技術でないとな」
「ただ、将来はです」
 先の先、もっと言えば遥かな先まで見据える目でだ。八条はこうも言った。
「マウリアが急激に発展すれば」
「民間もだな」
「その時はです」
「我々の最新技術もだな」
「盗もうとするかも知れません」
「産業スパイを送ってだな」
「はい」
 連合ではスパイといえばこちらの方が遥かに多い。各国各企業がそれぞれ潜り込ませて盗み合っているのだ。
「そうしてくるかも知れません」
「だとすればな」
「将来はですね」
「サハラも油断出来ないな」
「そうなりますね」
「今は大丈夫でもな」
「まだまだかなり先ですが」
 それでもというのだ。
「やはりです」
「用心は必要だな」
「そうなります」
「オムダーマンにしろティムールにしてもな」
「どちらの国がサハラを統一しましても」
「そうしれくるか」
「その可能性は否定出来ないかと」
 こうアッチャラーンに話した。
「彼等の発展の為に」
「発展の為なら盗みもする」
「それもまた政治なので」
「国益を求めるな」
「それではだな」
「はい、連合の中がそうである様にです」
 サハラもというのだ。
「今後は」
「そういうことか」
「はい、そして」
 さらに話す八条だった。
「これからですが」
「サハラはそうしてもだな」
「発展を意図していくでしょう」
「そうした国だな、あの国も」
「はい、そう思います」
「そうだな、では潜水艦とスパイ対策のことは頼む」
「わかりました」
 八条も頷いて答えた、そしてだった。
 彼は実際に潜水艦の開発とスパイ対策も進めることにした、そして第一には今の作戦だった。その作戦はというと。
 まずは義勇軍が向かっていた、彼等は辺境に入りだった。
 まずは配置に着いたがだ、外縁部への出撃命令はまだだった。
「まだか」
「ああ、まだな」
「まだ出撃命令は出ないな」
「折角ここまで来たのにな」
「それでもか」
「出撃はまだか」
 こう話す、しかし。 
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