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八条学園騒動記

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第五百一話 青春のコスプレその十一

「そちらもな」
「そういうことですね」
「ただしな」
「ただし?」
「レコードはないがな」
 これはというのだ。
「もうな、レトロ趣味でないとな」
「ああ、普通にはないですね」
「もう趣味のものだな」
「大抵CDで聴きますね」
「そうしているな」
「はい、音楽は」
 このことは千九百八十年代末に定着した、レコードはこの頃から急激に少なくなっていったのである。これはテープもだ。
「CDですね」
「それが主流だな」
「レコードはもう」
「クラシックな趣味だな」
「それも相当に」
「俺も持っていない」
 レコードプレイヤーやそうしたものはだ。
「CD派だ」
「僕もですよ、あれは本当に趣味ですね」
 音楽はレコードの音が一番だと言う趣味の人がこの時代でも一定数存在していてだ。
「そうなっていますね」
「そうだな」
「今もあるのが不思議で」
「だから趣味でだよ」
「あるんですか」
「もうCDの方がずっといいさ」
 使いやすさ、その点でCDはレコードを凌駕しているというのだ。
「もうな、けれどな」
「それでもですか」
「音がいいからな、針とか蓄音機も買ってな」
「蓄音機も趣味ですね」
「そうさ、全部な」
 レコードだけでなく関連するもの全てがというのだ。
「趣味のものだからな」
「お金かけてもいいんですね」
「そうだろ、カメラだってそうだろ」
「そうですね、カメラも」
 ジョルジュも言われて頷く、彼にしても写真部でありカメラのことは非常によく知っていて言うのだ。
「値段するものはしますからね」
「百万テラのもあるだろ」
「それ位のありますね」
「それ壊したらな」
 百万テラもの値のカメラをだ。
「泣くぞ」
「実際にそれで泣いたカメラマンの人いるんですよね」
「ああ、これは仕事だけれど趣味でもな」
「そうしたカメラ持ってる人いるんですね」
「だからな」
 それでというのだ。
「カメラだってそうだよ、趣味にはお金かけるんだよ」
「連合はそうですね」
「そうしたお国柄だろ」
「中に三百以上の国がありますけれど」
「連合自体がな」
 その中の三百以上もの国の国民性の違いは置いておいてというのだ。
「やっぱりな」
「趣味にお金使いますね」
「そうしたカラーだよ、じゃあな」
「これからもですね」
「ああ、これからもな」
 まさにと言うのだ、そしてだった。
 写真部で写真を撮った、ジョルジュは被写体としてそのことを楽しみこの日の部活を楽しんだのだった。


青春のコスプレ   完


                  2018・11・23 
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