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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六話 イギリス風メイドその九

「大学の食事や博物館の入館料が無料、だからイギリスはよくて日本は駄目とか」
「イギリスも日本とは別にお金かかったりするわよ」
「そうだよね」
「別のところでね」
「そうしたところは無視してるから」
 挙句には共著でイギリスみたいになれとかいう本も書いている、読んで実際に僕はじゃあイギリスに移住すればいいのにと思った。
「ああした人は」
「まさにテコでも日本から出ないのね」
「大嫌いで仕方ない筈なのにね」
 日本という国も日本人についてもだ。
「一番腹が立ったのはスポーツしないらしいのにスポーツまでダシにして日本貶めたことだけれどね」
「そんなことも言ってたの」
「経済もわかってなかったし」
 それが一目瞭然な、これまでクールだったキャラクターをいきなりエキセントリックに喚かせて言わせていた。冗談抜きにこの人は経済誌を読んだことがないのかと思える位に酷い経済の知識だった。スポーツに至っては日本の全スポーツ選手に謝って来いと言わんばかりに腹が立って今もそれが続いている。ただし覚醒剤をやった元スラッガーや大阪出身の下品なボクサー一家は別だ。この作家さんと同じレベルだと思うからだ。
「そしてスポーツまでだから」
「卑しい人?」
「かもね」
 実際にそうも思っている。
「卑しくないとそこまでして日本貶めないから」
「相手をね」
「それも自分の祖国をね」
 生まれ育って今もいるその国をだ。
「徹底的に、自分がしないスポーツまで使うんだから」
「何か凄く変な人ね」
「かなりおかしい教育受けたのかな」
 日本にはそうした先生も多いからふとこう考えた、そうした先生の教育を受けてああなったのかと。
「それでね」
「そんなことを言ってるの」
「そうかな、けれどそんなにイギリスが好きなら」
「イギリスに行けばいいわよね」
「実際博物館の入館ただだしね」
 このことは事実だ、確かにイギリスのいいところだ。
「大学に行けばお昼無料だし」
「その人が誉めちぎっているだけに」
「うん、あと理系の学問も嫌いだけれど」
「イギリス理系も盛んじゃない」
 ルイス=キャロルも元々はそちらの学者さんだった。
「ニュートンも出たし」
「何か理系の学問も異常に嫌ってるんだよね」
「私理系はあまり好きじゃないけれど」
 それでもとだ、テレサさんが顰めさせた目で言ってきた。
「それでもね」
「学問は理系もないとね」
「どうしようもないでしょ」
「世の中は発展しないよ」
「そうよね」
「何でそれで理系嫌うの?」
「やっぱりおかしな人なのかな」 
 僕はまたこう思った、そして実際に言った。
「だからかな」
「理系も嫌いなのね」
「日本だけじゃなくてね、あとアメリカも嫌いで同性愛も嫌い」
「嫌いなもの多いわね」
「保守系も嫌いだし」
「ひょっとして運動家?」
「考えかなり近いね」
 正直このことは否定出来ない。
「だから最近ネットで批判されっぱなしなんだ」
「そりゃそうでしょうね」
「あまりにもおかしいから」
 その書いていることがだ。
「それがモロに本に出てね」
「本の出来もおかしくしてるのね」
「うん、何度も行ってるけれど小説になってない位に」
「じゃあやっぱりおかしいのよ」
「どうしても書いている人の思想は出るかも知れないけれど」
 小説にしても詩にしても随筆にしても紀行文にしてもだ、絵にしてもピカソなりゴヤなりはその時の考えを出している。 
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