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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六話 イギリス風メイドその八

「終わらなくてもね」
「いいのね」
「本気でそう思ってるし」
「じゃあもう続刊出なくても」
「いいよ」
 僕はテレサさんにお菓子を食べつつ不機嫌な顔で答えた、お菓子は甘くて美味しいけれどあの作品のまずさでそうなった。
「もうね」
「そうなったのね」
「読んで不愉快になって」
 それでだ。
「面白い気持ちじゃなくなるならね」
「読んでも意味ないわよね」
「うん、何か某料理漫画みたいに」
 ゴロツキかと言う位のクレーマーな新聞記者とやけに偉そうな芸術家の親子が激突する漫画だ、僕はこの漫画もどうかと思っている。
「読後感が悪いから、読んでいる最中も」
「読んでいて悪いのね」
「これ以上はない位に」
「だからもういいのね」
「いいよ、その辺りのライトノベルとかウェブ小説とか」
「そういうの読む方がいいみたいね」
「絶対にいいよ、本当に読んで何これだったから」
 小説にすらなっていなかった、それではだ。
「もう読みたくないよ」
「じゃあ若し続刊出ても」
「読まないよ、ネットでちらりと情報確認して」
 それでだ。
「後はいいよ」
「そうなのね」
「面白い作品は幾らでもあるから」
 本屋に行っても小説投稿サイトに入ってもだ。
「あの作品は読まないよ」
「十数年ぶりに新刊が出ても」
「最近これまで放置していた作品どんどん完結させてるけれど」
 中には二十年以上放置していた作品もある、書く気がなかったのだろうか。世の中書いた作品は絶対に完結させる作家さんもいるというのに。
「それでもね」
「その人の作品自体が」
「もういいよ」
「終わっても終わらなくても」
「どうでもよくなったから」
「うん、そのお話読んで完全に見切りつけたのね」
「そうなったね」
 僕もそのことは認めた。
「あれじゃあってなったから」
「というかその作家さん大丈夫なの?」
 モンセラさんはお菓子を摘みながら僕に辛辣な感じで聞いてきた。
「そんな作品を書く位で」
「電波とか言うのかな」
「本当にそれじゃないの?」
「何でもその単行本出た時にね」
「言われてたの」
「ネット上で言われてたらしいよ」
 当時からその出来のあまりもの酷さが話題になったらしい。
「ここまでかとか想像を超えたとか」
「悪い意味でなのね」
「さっき話した某料理漫画みたいにね」
「電波だったの」
「僕もそう思ったし」
 何かと例えて言うなら電波、それでだ。
「電波受信する人の作品かってね」
「そんな風じゃね」
「僕が読む気ないっていうのもわかるよね」
「よくわかったわ」
 モンセラさんも納得してくれた。
「その作品のこともね」
「読まなくても何にもならないし」
 教科書ならテストに出るから読まないといけない、けれどそんな作品はそんな必要も全くないしだ。
「それじゃあね」
「読まないで」
「終わったらふうん、で終わりだよ」
「ネットで少し結末チェックして」
「もうそれでね」
「冷めたのね」
「冷めたね」
 僕はこのことも否定しなかった。
「やけにイギリスや中国が好きな作家さんだけれど」
「イギリスね」
「そう、紅茶のね」
 僕が今飲んでいるそれの国だ。 
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