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ロクでなし魔術講師とWの戦士

作者:西森
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目指すはT/捕らわれる生徒達

鬼(セリカ)の居ぬ間にフィリップを使っての宝探しを企んだグレンは遺跡調査と偽って特別休暇を取ってしまう。

だがグレンの企みを知ったシスティーナの手によってシスティーナ、ルミア、リィエル、カッシュ、ウェンディ、ギイブル、セシル、テレサ、リンが遺跡調査と偽っての宝探しに同行するのだった。

※システィーナ、ルミア、リィエル以外はグレンの目的を知りません

『グレン、君の考えはシスティーナに見抜かれていたようだね 』

「うるせぇクリップ! 」

『僕の名はフィリップだよ! 』

「(ちくしょう白猫の奴め、毎度毎度ながら俺の邪魔しやがって、このまま生徒達を連れちゃ宝探しなんてできやしない。先に白猫を何とかせねば…) 」

目的地に着くまでの間、グレンは考えるのだった。

それからいくらか時間が経過し

とうとう目的地に着いてしまった。

「さぁ着きましたよ先生、いい論文ができるといいですね 」

「(白猫め、こいつ絶対俺の企みを知ってやがるな) 」

白猫ことシスティーナさえ撒けば何とかなると考えるグレン

そして列車の中でシスティーナを撒く方法を考えまくった結果

「なぁ白猫、こんな時になんなんだが 」

「はい? 」

グレンがシスティーナに言った直後

「あぁーーっ!!あんなとこにメルガリウスの天空城がぁーっ!! 」

ビシィッ!!

グレンがとある空を指差しながら叫んだ。

メルガリウスの天空城

『メルガリウスの魔法使い』という童話の舞台のモデルにもなっている宙に浮く城。様々な謎がある。

普通ならばこんなところにそんなものがあるわけないのだが

「えっ!!どこっ!?何処ですか!? 」

メルガリアンと呼ばれるほど、この童話に興味があるシスティーナは簡単に引っ掛かってしまいグレンが指をさした方向を見るが

しぃんっ…

当然ながらあるはずがなかった。

「先生っ!!私を騙し… 」

騙されたことにようやく気付いたシスティーナがグレンの方を見るが

パッ!

「あ…あれっ? 」

そこにグレンの姿はなく

「ハァーハッハッ!!引っ掛かったな白猫! 」

バビュンッ!!

グレンは洞窟目掛けて全力疾走していた。

「こらぁーっ!!待ちなさい!! 」

「待てと言われて待つ奴はいなーい!!お前ら、ここから先は自由行動だ 」

と言いながらグレンは生徒達を置いて洞窟に入っていった。

「あ…あいつぅっ!! 」

「し…システィ、落ち着いて!? 」

騙され、置き去りにされたことでシスティーナの怒りは限界を越え

「追うわよルミア、リィエル!あいつを捕まえて制裁したあと、学院長に報告してクビにしてやるんだから!! 」

「ちょ…ちょっとシスティ!? 」

「グレンを追いかける 」

システィーナを筆頭にルミア、リィエルもグレンを追って洞窟に入っていった。

そしてグレン達が去った後

「俺達はどうする? 」

残されたカッシュ達は

「まぁ僕はこうなるだろうと予感していたさ、先生の言うように自由行動というわけで僕は学院に帰らせて… 」

一人帰ろうとするギイブルだが

「なら俺はシスティーナ達を追うぜ!洞窟だなんてワクワクするしよ! 」

「あっ、待ってよカッシュ!? 」

カッシュ、セシルは洞窟に向かっていき

「私はごめんですわ!洞窟だなんてじめじめしたところなんて誰が… 」

「まぁまぁ、そう言わずに行こうじゃありませんか 」

「先生達が心配だしね 」

「ちょ…ちょっと!? 」

ウェンディ、テレサ、リンも洞窟に向かっていき

ただ一人残されたギイブルも

「ったく、僕だけ戻るのが馬鹿馬鹿しくなってきたじゃないか 」

何だかんだ言いながら洞窟に入っていくのだった。

『グレン、君って悪だね 』

「うるせぇ!!俺は元々宝探しに来たんだ。あいつらが勝手についてきただけだっての 」

一方

「ったく!あいつったら!! 」

「お…落ち着いてシスティ 」

「システィーナ、怒ってる 」

グレンを探しながら三人が歩いていると

ゴロゴロッ…

「「「んっ? 」」」

三人の後ろからゴロゴロッという音が聞こえ、三人が振り向いてみると

ゴロゴローーッ!!

後ろから大きな岩が転がってきた。

「うわあぁーっ!! 」

「何でこんなとこに大きな岩が転がってくるのよーっ!! 」

「斬る! 」

「ダメだよリィエル、今は逃げて! 」

大岩から必死で逃げる三人

すると

「あそこに横道がある!逃げるわよ!! 」

サッ!

三人が横道にそれると

ゴロゴローーッ!!

大岩はそのまま通りすぎていった。

「た…助かったぁ~!? 」

「怖かったね 」

ほっと安心したのも束の間

バタンッ!!

「「「えっ? 」」」

「ああぁーーっ!! 」

「きゃあぁーっ!! 」

「落ちる 」

突然足元に穴が開き、三人は落ちてしまったのだった。

一方その頃

「くぅーっ!!やっぱ洞窟の中って冒険って感じだよな 」

「カッシュったら喜んでるね 」

「こういう状況を喜べるカッシュさんが羨ましいですわ 」

「完全に迷ってしまいましたからね 」

後から入ったカッシュ達が迷っていた。

「おかしいな、単純な構造だから迷うはずないんだが… 」

「大抵洞窟って壁とか押すと罠が起動するんだよな 」

「や…やめてよカッシュ!? 」

「まぁまぁ、そんなことが本当に起こるわけ… 」

と遊び半分で壁に触れるカッシュだが

がたんっ!!

「へっ? 」

何かの仕掛けを作動させてしまい

バサァッ!!

一行の頭上から網が落ちてきた。

「君は何をやってくれるんだ!! 」

「まさか本当に罠が起動するとは思わなかったんだよ 」

「だから私はこんな洞窟に入るのを反対しましたのに!! 」

「お…落ち着いてウェンディ!? 」

皆が捕まりながら騒いでいると

「ケケケッ!また獲物がかかったようだな 」

「お…おいあれって!? 」

カッシュ達の前に

「このトラップ・ドーパント様の罠にかかった哀れな獲物よ 」

トラップ・ドーパントが現れた。

「先に捕らえた三人と一緒に閉じ込めてやるぜ 」

生徒達に危機が迫るなか

グレンはというと

「お宝はっけーん!うひょひょ!これ全部俺のもんだぜ♪ 」

フィリップの案内で宝を手にし、生徒達に危機が迫っていることに全く気づいていなかった。

『何だか嫌な予感がするな 』 
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